多様化する入居者のニーズ。ペット禁止としていても、ペットを飼うことはできないかと、入居者に相談されたことのあるオーナー様も多いかもしれません。
素直にペット禁止を受け入れる入居者がいる一方、バレなければいいと内緒でペットを飼う入居者もいます。しかしペットを無断で飼っていることが分かっても、強制退去させることはできず、厳重注意をし、退去時のクリーニング代を多めに請求するほか打つ手はありません。
またペット不可の物件でも、一般的に飼育可能なペットとグレーゾーンのペットもいます。
一般的に飼育可能なペットは、金魚、小魚、昆虫、カメです。うるさくない、あまり部屋を汚さないという理由から大目に見られているようです。
グレーゾーンのペットは、ウサギ、蛇、ハムスター、フェレットです。小動物で鳴き声は出さないですが、部屋が汚れたり、臭いが強いです。
不可のペットは、犬、猫、鳥です。鳴くペットや汚すペットは飼うことが許されていません。
ペット可を謳っている賃貸物件は意外と多く、全体の30%です。その中でもペット用の設備を導入している物件は、14%。ペット禁止の物件は、全体の70%です。
ペット可にすると、入居者が集まりやすいとも限りません。動物アレルギーや動物嫌い、できるだけ静かに暮らしたいという方からすると、逆にペット可の物件は避けられてしまうからです。
ペットを飼育可能にした際のメリット、デメリットを比較すると、デメリットの方が大きいので、ペット可の物件はあまりお勧めできません。しかし様々な事情によりペット可にせざるを得ないオーナー様もいるでしょう。
そこで、ペット可物件運営での注意点をご紹介します。
ペット可物件はしっかりと対策をすることで、貸す方も借りる方も幸せに。
ペット可の物件として貸し出すのであれば、対策をしっかり行いましょう。ルールや規則を徹底し、規則を明文化することで、トラブルを未然に防ぐことができます。これは売り出す際にも言えることです。
①ペットの種類や頭数を制限する
ペットと言えば、犬や猫が一般的ですが、サルやアヒルなどマイナーな動物を飼っている人もいます。そのためどの動物はオッケーで、どの動物はNGなのか制限を設けることが大切です。合わせてペットの大きさや頭数にも制限が必要です。
犬でも大型犬と小型犬では大きく違います。大型犬の犬だと小さな子供は怖がりますし、エレベーターに乗れる人数も少なくなります。背丈○㎝未満など具体的な数字で、明示しておくことが大切です。
②原状回復ルールを明確化
ペット可の物件は原状回復に、高額な費用がかかるケースが大半です。ペットの毛により排水溝が詰まってしまっていたり、引っ掻きあと、フローリングの傷など物件の痛みがひどいことが予想されます。その中でも特に臭いが取りにくいという欠点があります。そのため売却でも、臭いや傷、汚れのせいで相場より安値でしか売れないというデメリットがあります。
劣化が激しいと床板の張り替えや壁紙の張替えといった大掛かりな修繕が必要なケースもあるので、その際の費用はきっちり入居者に負担してもらえるようなルールを作りましょう。ペット可物件では敷金0は、やめておいた方が賢明です。
③家賃を高く設定する
ペットを飼っている家庭と飼っていない家庭への対応や、騒音、悪臭といったクレームの処理などで、ペット可物件は、ペット不可物件より煩わしい処理に終われるので、そのぶん家賃設定は高くしましょう。
④ペットを飼っていない人への理解を促す
ペットを飼っている人、飼っていない人がお互いに気持ちよく暮らすためには相互理解が不可欠です。動物嫌いな人でも、ルールの徹底や理解により、退去を防ぐことができます。
単純にペット可とだけ謳い何も対策をしないと、トラブルの元になります。オーナー、入居者、全員が気持ちよく過ごすためにも厳格な対応が一番大切なので、入居者のモラルに任せるということは絶対にやめておきましょう。