競売物件とは？
競売物件とは簡単に言うと、裁判所により差し押さえされた物件です。
返済義務を負う人（債権人）が債務者に対し返済を行わないと、裁判所の命令により債務者はその資産を差し押さえることができます。通常は物件まで差し押さえられることはありませんが、返済額が大きい場合、居住宅も差し押さえの対象になります。
差し押さえられた物件は競売にかけられ、債権者に現金で返済されます。
競売にかけられる不動産は建物だけ、土地だけのこともありますが、建物と敷地がセットになったものもあります。また地上権(土地を使うことができる権利のひとつ)が、競売の対象になることもあります。
競売物件のメリット
①利回り20％を超える掘り出し物件の山
競売物件の何によりのメリットは、市場価格より安価に購入できるケースが大半を占めることです。過去の事例を見ると、相場１億円のマンション１棟が、8000万円で落札されたケースや900万円の戸建てが、半値以下の360万円で落札されたケースもあります。市場価格よりはるかに安い価格で売買されているので、このような競売物件を購入すると利回りが20％を超えるケースが多く、不動産投資家は常に競売物件に目を光らせています。
②仲介手数料がかからない
通常不動産物件取引では買主と売主の間の仲介を、不動産業者が行います。そのため仲介手数料を支払う必要があります。
しかし競売物件では不動産業者が仲介を行うことがないので、仲介手数料が発生しません。その分買主は自ら裁判所に出向き、資料の閲覧をしたり、登記簿を取り寄せるなど労力を費やさねばなりません。また税金などの計算も自分で行う必要があります。
裁判所や役所は、平日の昼間しか開いていないので、時間的に余裕のある方でなければ、競売物件に手を出すのは厳しいかもしれません。
競売物件購入時の雑務を行う余裕のない投資家のために、現在では代行サービスも人気になっています。代行業者を使うとやらなければいけないのは、契約内容の確認と判を押すことだけです。全て代行してくれるので面倒は一切ありません。一方で業者に代行手数料や成功報酬などを支払う必要があります。競売で安く買えたとしても落札額によっては、代行業者への手数料を考えると、市場価格と変わらない価格になったというケースもあります。
③特殊物件が見つけやすい
農地や市街化調整区域内の建物など通常の不動産取引では出回らない物件も、競売なら売りに出ていることがあります。通常は売りに出ない特殊な土地が欲しいという人は、競売物件を中心に探して見ると見つけやすいでしょう。
競売物件のデメリット
①前オーナーからの脅迫や嫌がらせ
競売物件によっては、前オーナーがどうしても手放したくなかったという物件もあります。そんな物件を落札すると、前オーナーからの嫌がらせを受けることもあります。
またなかなか落札されない競売物件を購入する際は、注意が必要です。前オーナーが暴力団関係者であり、何も知らずにその物件を購入したら、暴力団関係者から脅迫を受けたというケースも過去にありました。
物件の落札前には現地調査を行う必要がありますが、何度現地調査をしたとしてもトラブルに見舞われる可能性を０にすることは難しいです。
②落札できない
手間や時間をかけ、物件について調べ入札を行なったのに落札できないこともあります。競売物件は確実に落札できる訳ではないので、落札できなかった際は今まで調べたことや費やしたい感が無駄になってしまいます。
③瑕疵担保責任がない
通常の不動産取引では売主に瑕疵担保責任が発生します。瑕疵担保責任とは、不動産の売買契約時にはわからなかった隠れた不具合があった際、売主は一定期間内修繕する義務を負うことです。通常の不動産の売買では、買主はこの瑕疵担保責任により一定期間守られていますが、競売物件には売主が存在しないので、瑕疵担保責任を負う人がいません。
そのため物件後、物件にトラブル（水漏れ、付帯設備の不備など）があった際は、買主は自費で修繕しなければいけません。安く買ったつもりが修繕費で高くついてしまったということもあります。
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