できるだけ高値でマンションを売却したい
マンションを所有している誰しもが、できるだけ高値で売却したいと思っているはず。
今回は売却の流れから高く売るコツ、ローンが残っていてもOKな売却方法に至るまで徹底的にまとめてみました。
売主の多くは、マンション売却が初めての人が多く、「所有するマンションを売却するなんて一生に一度」だと思っているでしょう。
しかし、未経験で知識や情報もないまま売却をしても、失敗してしまいます。
アットホーム株式会社の調査によると、マンション売却者全体の39%が売却価格に満足していません。さらに価値が想定よりも安くなったという人は、54.2%もいるそうです。これではマンション売却に成功したとは言えませんよね。
そうならないためにも、正しい知識を身につけて失敗しないポイントを押さえておくのは非常に大切です。この記事ではマンション売却時に役立つコツをまとめてご紹介しています。これさえ読めばはじめてのマンション売却を成功させることができるでしょう。
知っておきたいマンション売却の種類
マンションを売却する場合には、大きく分けて仲介と買取の2パターンがあります。仲介にするのか、買取にするのかで売却方法は大きく変わってきます。
—仲介
仲介では不動産会社が、広く一般に購入者を探します。不動産会社専用の流通ネットワークや不動産のポータルサイトなどに物件の広告を載せたりして、さまざまな方法で物件をPRします。
購入者が見つかるまで広告活動を行い、購入希望者が見つかると物件の説明や内覧まで全てを代行してくれます。無事成約すると、依頼者は不動産会社に手数料を支払います。
仲介では購入者が見つかり次第、物件を売ることができますが、長期間購入者が見つからないこともあるので注意しましょう。
売却までの目安は3~6ヶ月程度ですが、事故物件であったり売り出し価格が高かったりと悪条件であれば、売ることは難しくなります。
—買取
買取では不動産会社がマンションを直接買い取ります。購入者を探す必要がないので早期の売却が実現しやすく、売主は不動産会社に仲介手数料を支払う必要もありません。
売却にかかる期間は大体2週間~1ヶ月程度です。仲介と違い、即時売却が可能なためすぐに現金化したい方におすすめの方法です。
仲介と買取ではどちらがお得?
はじめてマンションを売却する方は、仲介にしようか買取にしようか悩むところです。
しかし一見、買取の方が仲介よりメリットが大きいように感じるかもしれませんが、一般的に仲介より買取の方が売却価格は低くなりがち。
というのも、仲介では成約が決まると仲介手数料という報酬を受け取る事ができますが、買取では報酬がないばかりか不動産会社には出費しかありません。
つまりこの段階では利益を出すどころか、不動産会社にとっては損失でしかないのです。そこでどのように利益化するのかというと、不動産会社は購入した物件にリフォームや修善などを行い、再販売します。
そして売却した金額から、リフォーム代や買取代など諸経費を引き、残ったお金がやっと利益になるのです。
買主が見つからないことや価格交渉により買い叩かれるなど、仲介と比較すると不動産会社は手間とリスクを取ることになります。リスクを少しでも抑えるため、不動産会社がは買取金額を少しでもおさえて買い取るので、買取額は仲介に比べるとどうしても低くなるのです。
買取と仲介ならどちがら得か損かをお金のことだけで考えると仲介の方が得ですが、早期売却を求めるなら、買取の方が得だと言えるでしょう。
こんな時は仲介?買取?
□時間がかかっても高く売りたい!→仲介
□買取金額は低くても早く売りたい→買取
□内覧のために人が家に来るのは嫌だ→買取
□マンション売却を、周囲に知られたくない →買取
□めんどうは一切ごめんだ →買取
□瑕疵担保責任を負いたくない →買取
□諸経費を抑えたい→買取
どっちを選べばいいのか迷った時は、上記のどの項目に自分が当てはまるのか考えてみてください。
仲介には3種類ある?
不動産会社に仲介してもらうことが決まったと言っても、実は仲介には専属専任媒介・専任媒介・一般媒介という3種類の方法があります。どの仲介法を選ぶかによって、売り手の自由度や不動産会社の対応が変わるため、自分に一番あった方法を選びましょう。
それぞれの方法にメリット・デメリットがあり、どの仲介を選んでも仲介手数料は同じで、費用の違いもほとんどありません。
①専属専任媒介
専属専任媒介では1社の不動産会社にのみ、仲介を依頼します。
ほかの不動産会社と契約を結ぶことができず、契約した不動産会社が紹介してくれた売却先としか契約できないという縛りがあります。契約は最大3ヶ月で、不動産会社には1週間に一度以上、依頼者に状況の報告をすることが義務付けられています。
これだけ聞くと、メリットがなさそうに聞こえるかもしれません。
しかし不動産会社は短い契約期間の中で買い手を探さなくてはいけないので、必死になって買い手を探すようになり、短期間かつ高い確率で買い手が見つかるというメリットがあります。
専属専任媒介は1社にしか依頼を出すことが出来ないので、担当者が誠実で的確なアドバイスをくれる会社を選ぶようにしましょう。
②専任媒介
専任媒介は専属専任媒介と同じで、1社にだけ仲介を依頼します。
1社と契約すると、他の不動産会社を利用することはできませんが、専属専任媒介と違うのは、買い手を自分でも見つけて良いというところです。
知り合いに買いたいという人が現れた時や自分で広告を出したら、買い手が見つかった場合は、不動産会社を介さずに契約することができます。
専任媒介の契約も最大3ヶ月で、不動産会社は2週間に1度以上の状況報告が義務付けられています。
専任媒介は”専属専任媒介を少しゆるくしたシステム”だといえるので、自力で買い手も探したいけれど不動産会社にも手伝って欲しいという方向きです。
③一般媒介
一般媒介では複数の不動産会社に、仲介を依頼することができます。
もちろん不動産会社に依頼しながら自分で探すこともでき、自力で見つけた買い手とは不動産会社を通さず契約も可能です。
なお、一般媒介では契約に有効期限がなく、不動会社に経過報告義務もありません。
一般媒介の契約には明示型と非明示型があり、明示型は他にどの不動産会社と契約を結んだのか通知することで、非明示型では通知をしません。
一般媒介は多数の不動産店に依頼ができるので、早く買い手が見つかりそうで一番良い契約内容に見えますが、不動産会社からすると報告の義務もないので、専属専任媒介や専任媒介とは違い、本気で買い手を探す事をせず後回しになってしまいがちです。
そのため、実は一番買い手を探すのに時間がかかる方法だとも言われており、一般媒介を利用するのであれば、本気で売ろうとしてくれる不動産会社を見繕い、依頼する必要があります。もしくは大手不動産ポータルサイトなどに、自分でも積極的に物件情報を公開しましょう。
住宅ローンが残っていてもマンション売却は可能?
住宅ローンが残っていても、転勤や経済的な理由からマンションを売りたいと考えている方もたくさんいます。
結論から言うとローン返済中でも売却は可能ですが、注意すべきポイントもあるので気を付けなければいけません。
マンションの売却には抵当権を外すことがポイント
マンションなどのマイホームを購入する際には、ほとんどの人が住宅ローンを金融機関で組むと思います。
返済は長期間に渡るので、その間にマンション売却をしたいさまざまな事情ができたとき、「債務が残っているが今住んでいるマンションを売ることができるのだろうか」と不安になってしまうでしょう。
しかし、結論から言うと住宅ローンが残っていてもマンション売却は可能です。ただし基本的には、債務が残っているなら完済をしないとマンションを売ることはできません。
債務を返す方法はおもに3つあります。1つ目は手持ちのお金で全額支払う方法ですが、これを実行できる人は多くないでしょう。
2つ目は、売却代金に手持ちのお金を足して支払う方法です。例えば、債務が3,000万円残っていてマンションの査定額が2,000万円の場合、差し引いた1,000万円は自分で用意して支払います。
3つ目は、売却代金ですべて返す方法です。マンションの査定額が債務より高い優良物件の場合、お金を用意しなくてもマンションを売却できます。
ただ実際には債務よりも査定額の方が安くなるケースが多く、実際には差額の金額を支払っての売却となることがほとんど。
なぜ売却価格より債務残高が高いと売ることができないのかと言うと、金融機関で融資を受ける時に付与された抵当権が関係しています。
マンションは債務が返せない場合の担保になっているので、金融機関への支払いが滞ると融資したお金を取り戻すために競売にかけられます。
金融機関としては、支払いが済んでもいないのに担保であるマンションを失うことはできないので、債務残高がある場合にどうしてもマンションを売りたいのなら抵当権を外す必要があります。
つまり、この抵当権を外す方法=支払いの完済なのです。一般的にはマンションを売却した代金を金融機関に債務残高として引き落としてもらうことで抵当権をなくすケースが多いですが、「債務残高がありお金を用意しなければいけないけれど、毎月の支払いだけでも苦しい」という人もいるでしょう。
そんな時は、銀行のフリーで使える融資を利用します。建物の価値は毎年下がっていくので、どうしても売りたいと思っているのなら一つの方法として有効です。
住み替え住宅ローンを利用する時のポイント
前述したように、マンションの売却代金で住宅の債務を完済し抵当権を抹消できますが、必ずしも高く売れるとは限らないのでその時は自己資金を調達する必要があります。
マンションを売って新たに住宅を購入する予定があるなら、頭金に回せる金額も減ってしまうことになるため、もし住み替えのためにマンションの売却を考えているのなら、売却額が債務を下回ることを考えた上で新居のための資金計画を立てた方が良いでしょう。
自己資金を足してもマンションの債務完済ができない場合、金融機関から住み替えのための新しい融資を受けることでマンションを売却することができます。
これを「住み替えローン」といい、現在のマンションで融資を受けている債務残高を、新しく購入する住宅の融資に上乗せできるという仕組みです。
一般的な住宅融資と同じく元金均等返済や固定金利型などを選択することができますが、借入額が前回よりも増えるので金融機関の審査が厳しくなる点に注意しましょう。
新しい住居で気に入った物件が見つかったら、まずは不動産を通して銀行で仮審査を受けることをおすすめします。現在銀行などで融資を受けられたからといって、次の審査に必ず通るとは限らないからです。
住み替えの場合は、融資額の残りがプラスされているので前回よりも金額が大きくなっています。勤務先が変わったり以前より収入が減ったりした場合は、融資先の金融機関で事前審査を受けることはとても重要。仮に審査に通ったとしても、支払いができるかどうかを慎重に考える必要があります。
マンションの住み替えには、売却が先か購入が先かの2つのケースが考えられます。
売却が先の場合は、まず自分のマンションを買ってくれる人を見つけて住宅を探し始めます。売却が先なので資金計画が立てやすいメリットがありますが、新しい住居を見つける期間が短くなります。
住宅の購入が先の場合、新しい住居を見つけてから買い手を募集します。ゆっくりと気に入った新居を探せるというメリットがありますが、購入者が見つからない場合二重の融資を受けることになります。
任意売却をしてマンションを売る
マンションを売りたい理由で意外と多いのが、住宅ローンの返済をしたいというものです。
「完済はできそうだが早く住宅の支払いを終わらせたい」「今のままの状態ではやがて支払いが難しくなる」という場合は少し余裕があるのですが、すでに支払いが滞っている状況だと競売にかけられる可能性が高くなるので、早急に対策をする必要があります。
マンションが競売されるまでの期間は、一度も滞納がない人でも3ヶ月から6ヶ月なので、滞納を繰り返しているケースではこの期間が短くなることがあります。
このような事情の時は任意売却でマンションを売るのがおすすめです。一般的には債務が残っている状態ではマンションの売却はできませんが、債務が残っていて支払いが滞っている場合に限り、任意売却でマンションを売りに出すことができます。
競売だと市場相場の50%から70%で取引が行われますが、任意売却ではほぼ市場価格と同じ値段で売ることができる点が大きなメリットです。
基本的には任意売却を専門にしている不動産会社にマンションの売却を仲介してもらいますが、任意売却をしてほしいと伝えると足元を見られてしまう可能性があるので、まずは複数の不動産会社に一括査定をしてもらうことをおすすめします。
なお、任意売却は競売に比べると市場価格は高くなりますが、必ずしも自分が希望する金額で売れるとは限りません。時間が延びれば競売にかけられるという切迫した状態だからこそ、信頼の置ける不動産会社を見つけることは重要になってきます。
ここでもう一つ忘れてはいけないのが、任意売却をしても売却した金額が債務より安い場合は、その差額分を金融機関に分割して支払うことになります。任意売却をしたからと言って、 残りの債務がなくなるわけではないので気を付けなければいけません。
また、任意売却のデメリットに、信用情報機関に登録されブラックリストに記載されてしまうことが挙げられます。ある一定の期間、金融機関からの融資や新しくクレジットカードを契約することができなくなるので注意しましょう。
住宅ローンの残っているマンションを売却する時に大切なこと
住宅ローンの残っているマンションでも、抵当権を外してローンを完済することで売却できます。
また、どうしても住宅ローンの返済ができない場合に限って、任意売却という方法でマンションを売ることが可能です。
任意売却は市場相場よりも高く売れるというメリットもありますが、個人情報機関に記載されるというデメリットもあり、できるなら最終手段として使いたい方法だと言えるでしょう。
現在のように土地の価格が下がっている状況では、売却額が債務残高を上回る可能性は低くなっています。少しでもマンションを高く売りたいなら不動産選びはとても大切ですが、自身でも一括サイトなどでマンションがどのくらいの相場なのかを知っておくことも必要です。
マンション売却の流れ
ここからは、マンションの売却はどのような流れで進んでいくのか、大まかな流れを確認していきましょう。
①情報収集
不動産会社にすぐに相談するのではなく、まずは自分で情報収集する事が大切です。マンションの価値は不動産情報サイトや折込などに掲載されている似た物件や地域での相場から、自分でも推測する事ができます。大体でいいので自分の物件がどのくらいの価値があるかを確認しておくといいでしょう。
次に売却を手伝ってもらう不動産会社を探します。どの不動産店に依頼すればいいのか分からないという方は、不動産会社に特化した口コミサイトを利用するのがおすすめです。
口コミサイトでは、実際にその不動産会社を利用した利用客が感じた生の声が多数掲載されているため、「大手だから良い、中小だから不安だ」と決めつけるのではなく、信頼できると感じた不動産会社を選びましょう。
情報収集の段階で買取にするのか売却にするのか、また売却にするならどの方法で売却するのかをある程度決めておくとスムーズにマンションを売ることができます。
もちろん、「最初は買取にするつもりだったけれど、想像以上に買取額が低いので売却にする」など途中で方法を変えることも可能ですが、ある程度の方向性を決めておかないと、スムーズに売却できません。
特にマンションを共有している場合は、全員の意見を一致させておかないと、後々トラブルになってしまいます。特に相続が絡んだマンションの売却では、親族間の揉め事を防ぐためにも、方針をコロコロ変えるのはやめましょう。
②必要書類の準備
マンション売却時には一体いくらの価値があるのか知るために、一度不動産会社による査定を受けなくてはいけません。
そのために、まずは身分証明書や実印、印鑑証明書といった売主に関する書類とマンションの管理規約や修繕積立金、管理費などの建物に関する書類などの必要書類を準備しておく必要があります。
マンション査定時に必要な書類の詳細は、以下の通りです。
身分証(本人確認用)、実印(売却者の実印。共有している場合は共有者全員の実印)、印鑑証明書(3か月以内のもの。これも共有している場合は、全員分必要)、住民票(3か月以内のもの)、登記済権利書・登記識別情報(売却物件の内容確認のため)、固定資産税納税通知書・固定資産税評価証明書(税額の確認のため)、マンションの管理規約・使用細則など(管理内容やルールについて記された書類)、マンションの維持費等の書類(買い手が入居後に支払う費用の詳細)
マンションを査定に出すためだけにも、これだけ多くの書類が必要になるため、あらかじめ用意してから査定を依頼すると依頼から査定までがスムーズになります。一般的にこれだけの種類が揃っていれば、正確な査定が可能ですが、不動産会社によっては別の書類の用意を求めてくることもあるので注意しましょう。
依頼してから査定が来るまでの間にこれだけ多くの書類を揃えようとすると、どうしても無理が出てしまいます。また無料の簡易査定であれば書類は特に必要ありませんが、本格的に売却を検討している場合は無料査定では不十分です。
必須書類ではないものの買主が物件を購入する際の決め手となるので、耐震診断報告書やアスベスト使用調査報告書といった書類も余裕があれば用意してください。
③不動産会社による査定を利用
自分で大体の価値を知り、必要種類を用意したら不動産会社に査定を依頼しましょう。
査定依頼時には、一括査定サービスがおすすめです。一括査定サービスでは一度物件の詳細を入力すると、その情報が複数の不動産会社に自動的に届きます。そして様々な不動産会社から査定結果を得ることができます。
一括査定では実際に物件を見たわけではいので、正確性には少し欠けています。そのため査定結果をもらった不動産会社の中から、2・3社ピックアップし実際に現場まで来てもらってから最終的な査定結果を出してもらうといいでしょう。実際に現場まで足を運んでもらい、出してもらった査定結果が正確な査定結果です。
一括査定サービスを利用する際に気をつけてもらいたいのは、名前を聞いたこともないような不動産会社から電話やメールが来てしまうケースです。
一括査定サービスは複数の不動産会社に自動的にデータが送られるので、そのデータを受け取った不動産会社から引っ切り無しに営業電話やメールが来ます。これを知らないと、急に知らない番号から連絡がたくさん来たと驚いてしまうかもしれません。
しかし、知名度の低い不動産会社であっても、サービスレベルの質は非常に高いこともあるため、大手にしか頼らないと意固地になるよりも複数の不動産会社から話を聞き、一番良いと思う会社を選びましょう。
④不動産会社と媒介契約を結ぶ
信頼できる不動産会社が見つかったら、契約を結びます。ここで売却にするのか、買取にするのか本決定をしなくてはいけません。
売却にする場合も、専属専任媒介、専任媒介、一般媒介のどれにするか決めてないと契約を結ぶことができないので、ここで決める必要があります。
しかし、どうすればいいのかは不動産会社が相談にのってくれるほか、「信頼できる不動産会社を選ぶ際のポイント」は下記にまとめてあるのでチェックしてください。
⑤売り出し価格を決める
契約を結んだ段階で不動産会社とよく話し合い、売り出し価格を決めます。
しかし、査定額=売り出し価格ではなく、査定額はあくまで物件の価値です。早く売りたいからと実際の価格より安くしたり、逆に高く売りたいからと査定額に色を付けることもできます。
査定額を元に自分の希望金額、周辺相場、不動産会社から提示される売れる金額のすべてを踏まえて、売り出し価格を決めます。売り出し価格はタイミングにもよって変わるほか、マンション売却には最適な時期やタイミングがあるので、焦らずに決めましょう。
⑥売却活動開始
マンションの販売が始まると、内覧の準備をする必要があります。購入希望者に部屋を見てもらい、内覧から成約に繋げられるかどうかが売却活動の重要な鍵です。
住み替えのためにマンションを売却する場合は、現在住んでいる部屋を見てもらうことになるので、購入希望者に少しでも良い印象を与えるために、部屋の中を綺麗にしておきましょう。
「この部屋に暮らしたい」と思ってもらうためには、最低限の掃除と整理整頓を行うことが大切。内覧時に部屋が汚かったり生活感が出すぎたりしていると、せっかくいい部屋でも嫌煙されてしまうため、内覧の際にはお花を飾るなどし、部屋の印象を良くする努力が求められます。
⑦価格などの条件交渉
購入希望者は不動産会社を通し、売主に購入申込書を送ってきます。
この際には購入希望者の条件と売主の条件を擦り合わせていく必要があります。購入希望者は少しでも安く買いたいという気持ちがあるので、価格交渉もしてくるでしょう。
引渡しの時期や改修箇所の費用負担についてなど、細かな条件を話し合って行かなくてはいけません。
⑧成約・物件引渡し
条件の擦り合わせが終わり、双方が合意すると売買契約を締結します。
引越しやローンの解約、抵当権の抹消を済ませ物件を引き渡します。
ローンの解約、抵当権の抹消といった難しい問題は、不動産会社が各種士業の先生と連携して行います。
不動産会社を選ぶ際のポイント
初めてのマンション売却では、どの不動産業者を選べば良いのかと、迷ってしまうのは当然のことです。実は不動産店の数はコンビニより多く、なんとコンビニの6倍存在します。
これだけ多くの不動産会社があるので、この中からどこの不動産会社を選べばいいのかと途方にくれてまうかもしれませんが、ここで不動産会社選びを間違えてしまうと、マンション売却に失敗してしまいます。ここからは、不動産会社を選ぶポイントについて説明していきます。
①仲介力のある業者
どんなにいい物件でも販売会社に仲介力がなければ、いつまで経っても物件は売れません。
仲介力を見極めるためには、集客の手段について見てみましょう。集客方法には様々な方法があり、店頭広告から雑誌への掲載、新聞折込、自社HPといったweb集客があります。
さまざまな集客方法を組み合わせている方が、集客力は上がるため、気になっている不動産会社の集客方法はどれくらいあり、どの集客方法を得意としているのかをチェックしましょう。
また、買取希望者を多く抱えている業者を選ぶことも大切です。こちらは物件を売りたいと考えていますが、物件を買いたいと考えている人もいます。
物件を買いたいと考えている人は、いい物件がないかと不動産会社を頼るため、買取希望者を多く抱えている不動産会社に依頼すると、買い手が見つかりやすいです。
不動産会社では買取希望者の中から買ってくれそうな人をピックアップし、物件を紹介していきます。そして自身の顧客以外にも買取希望者がいないのか、自社の仲介力を活かし広告活動を行います。
②地域情報に精通している
地域情報に精通している不動産会社を選ぶことも大切です。というのも、マンションを売却する際にはその土地特有の地域情報をよく知っているかどうかで、売却価格が変わってくるからです。
同じ物件でも、土地の治安や住民の特徴、需要、町の成長性により、査定価格は変わってくるため、マンションのある地域について不動産会社がよく知っておかないと、間違った査定金額になってしまいます。
査定を依頼した際は、高い査定額を出してくれた業者を選ぶ前に少し踏みとどまって考えて下さい。
査定額が高いと「こんなに高く売ってくれるんだ!」と、その業者に依頼してしまいがちです。しかし査定額と売り出し価格は違うので、業者は自社を選んで欲しいという気持ちから査定額を釣り上げます。
そしてその会社に依頼すると難癖を色々とつけられ、売り出しを下げられていくケースがあります。売り出し価格が下がれば、他の業者と結局変わらないということが多いのです。
査定を受けた時には、査定額の具体的な根拠を示すことができているのかどうかを確認することが大切です。査定額の高さ、低さではなく、なぜその金額なのかという根拠をしっかり持っているかどうかを確認しましょう。
③マンション売却を得意としているか
不動産会社により得意としている分野は違います。賃貸仲介が得意な会社にマンション売却を依頼してもなかなか上手くいきませんし、その逆もまたしかりです。
そのためどの分野を得意としているのか、見極める必要があります。「大手だから」「知名度が高いから」「賃貸でお世話になったことがあるから」といった理由で選ぶのはNG。
売却を得意としているかどうかは、広告やHPを見て確認することができます。売却を得意としている会社は、それを前面に出しています。逆に賃貸を得意としている会社は、メイン画面がやはり賃貸に関することになっています。
問い合わせの際の営業マンの反応でも、マンション売却に対し好意的なのかあまり興味を持っていないのかがわかります。売却をしっかり任せられるかどうかの判断材料として、気になる不動産会社には問い合わせを行いましょう。
マンション売却を得意としていない会社は、売却の相談をしても反応が悪いです。
④口コミ評価が高い
興味を持っている不動産会社は、インターネットで検索してみましょう。
不動産会社の口コミサイトにはさまざまな口コミが集まっています。実際に利用した人の声を聞くことができるので、不動産会社を選ぶ際に非常に役立ちます。
ただし一点注意すべき点は、自社サイトに載ってある口コミは自社で厳選しているので、基本的に良い口コミしか載せていません。それよりも良いのはやはり匿名の口コミサイトです。
良いと思った人もこの会社は2度と利用しないと感じた人も、口コミサイトに率直にその感想を載せています。
匿名の口コミサイトはどうしても悪い口コミが集まりやすいですが、それでも良い口コミの多い会社は、顧客満足度が非常に高いです。
⑤スタッフの教育が行き届いているか
スタッフの教育が行き届き、担当者により質の違いがないかは大切なポイントです。
「担当の営業マンは感じがいいけれど、他の社員には好感が持てない」と感じているのであれば、その会社はおすすめできません。
マンション売却には時間がかかるので、その間に担当者が代わることや辞めてしまうことがあります。そんな時に相性の合わない他の担当者と付き合っていくのは大変です。
社員教育が行き届いていない会社は担当者の質もばらつきが激しいです。そんな会社に依頼すると、いざという時に困ってしまうため、一人の担当者が良い会社ではなく、全体として良い会社を選びましょう。
また、不動産会社は開業するために、会社の規模に応じ必ず一定数の宅地建物取引士を置くことを義務付けられています。担当者が必ずしも宅地建物取引士資格を持っていないといけないわけではありませんが、資格を持っていた方がより業界に精通しており、知識も豊富です。
宅地建物取引士の名前と免許番号は、店舗の分かりやすい場所に掲載されています。その名前を見て宅地建物取引士資格保持者を指名し、担当になってもらってもいいかもしれません。
⑥店内が綺麗かどうか
掃除や整理整頓がきちんとされている会社を選ぶことも大切です。乱雑に書類が積み重なり、埃まみれになっている会社は書類をきちんと整理できていないことが多いです。
不動産に関する書類は非常に大切で、絶対に紛失してはいけません。そのため整理整頓や重要書類がどこにあるのか、明確になっていることが大切です。
⑦顧客目線での分かりやすい説明を行っているか
説明が分かりやすいかどうかも不動産会社選びの大切なポイントです。いくら知識が豊富でも、難しい専門用語ばかりで説明されては全く分かりません。
顧客の目線に立ち分かりやすく説明を行い、親身になって相談にのってくれる担当者に出会うことができれば、マンション売却は成功に近づきます。
担当者の態度を見る時には、都合が悪いこともきちんと教えてくれるかどうかも見てみましょう。ここは良くない、修繕した方がいいなど売主にとって都合の悪い情報に関しても、指摘してくれる業者は信頼が持てます。
大手の不動産会社と中小・零細の不動産会社、どちらを選ぶべき?
日本で一番マンション売却のために利用されている不動産会社は、三井不動産リアリティネットワークと住友不動産販売、東急リバブルです。
この3社は超大手で不動産会社のBIG3とも言われており、不動産売却社の3人に1人はBIG3のどこかの会社を利用しており、シェアは3社だけで3割を占めています。
一般的には「大手に任せば安心」だという意識が強いようですが、不動産の売却において大手不動産店なのか、中小・零細の不動産店なのかは全く問題ではありません。
大手不動産会社は確かに知名度か高く、集客力も高いです。大手不動産会社に任せておけばなんとなく安心だと感じる方も多いでしょう。
しかし大企業であるがゆえに、営業マンの裁量がなく、上司に報告や相談ばかりでなかなか話し合いが前に進まないという側面があり、ノルマの厳しさから強引な押し売りをしてくる営業マンもいます。
抱えている顧客が多いので、一人一人に丁寧な対応ができない、担当の営業マンが捕まらない、情報が社内で共有されていないなど、大企業だからこそのデメリットもあります。
中小・零細の不動産店は、たいていの場合地域密着型で営業を行なっています。大手に比べると知名度がないので、集客力がなく、仲介の質もピンキリです。
しかし、得意分野であれば大手よりも販売力があったり、抱えている顧客が少ないので一人一人に丁寧な対応を行ってくれるというメリットがあり、意思決定も早いので、スムーズに売却まで進みやすいといえます。
大手も中小・零細の不動産店も、それぞれにメリット・デメリットがあるため、「大手だから良い、中小だから不安」ということはありません。
なんとなく大手の方がすぐに売れそうだと感じる方も多いかもしれませんが、売却情報は不動産会社間のオンラインシステムにより、全業者の間で均一に公開されます。そのためどこの会社に依頼しても、購入希望者に自分の物件を紹介することはできるのです。
こんな不動産会社には要注意!
①両手仲介を行う会社
両手仲介を行う不動産会社とは、売主からも買主からも仲介手数料を徴収する不動産会社のこと。両方から仲介手数料をもらうことができれば、不動産会社は1つの取引で2つの取引分の利益を得ることができるのです。
両手仲介を行う不動産会社は、両方から仲介手数料をもらうために、自社で買主をできる限り見つけてきます。そして買主が見つからない時は、物件の価格が高いからだと難癖をつけ、売主に値引きを要求してきます。
大手ポータルサイトに広告を出せば、本来の売り出し価格で売れる物件でも、できるだけ自分で買主を見つけてこようとするので積極的なPRをせず、悪いのは売主だという論調に持っていきます。
こうした悪徳不動産会社に引っかからないためにも、事前に口コミサイトでよく会社について調べましょう。
②サイトの情報が更新されていない
HPなどに掲載してある物件情報を更新していない業者は、販売力が低いです。昔の情報がそのままだったり、買い手が見つかっているのに物件が売りに出された状態のままということが良くあります。
過去の物件情報を出したままの業者からは、顧客がどんどん離れていくため、そんな業者に売却を依頼したとしても、上手くいかないのです。
逆に売却がスピーディーな業者は、サイトの物件情報もどんどん更新していきます。いつまでも過去の情報が載っているということがありません。
良い不動産会社か見極めるポイントとして、情報の更新頻度についても注目してみましょう。
③誇大広告により消費者を騙している業者
不動産会社のサイトなどで、”物件掲載数ナンバー1”や”日本で一番選ばれている”といった文言を見たことはないでしょうか?
こういった広告やうたい文句は、場合によっては景品表示法違反となるケースがあります。誇大広告を利用している不動産会社は消費者を騙すふしがあるので、利用することをお勧めしません。
マンション売却にはベストな時期とタイミングがある
マンションを高く売るにはタイミングが重要です。このタイミングやベストな時期を逃すと、期待以上の価格でマンションを売ることができません。
マンション売却を成功させるためには、まず値上り、値崩れ、手残りの3つのポイントを押さえましょう。
値上がりとはその名の通りマンションの値上がりです。不動産市場が活発化すると、自然とマンションの売却価格は値上がりします。値上がりは自分でコントロールできず、その時々の市場の様子により、値上がりしたり、逆に値下がりもします。
市場が値上がりしたタイミングで売りに出せば、高く売ることができます。
過去のデータを見ると、2008年のリーマンショック以降価値は急激に下がりましたが、2013年に東京オリンピック開催が決まると、再び市場が活性化し、東京都内の地価やマンション価格は上昇傾向にあります。
ただしリーマンショックのような世界規模の恐慌が起きれば、この活性化も沈静化するでしょう。マーケットの活況がいつまで続くかは、誰にも予測することができません。そのため高く売るのであれば、今のタイミングが一番なのかもしれません。
値崩れとは値段が下がっていくことを指し、マンション売却の場合築年数が経過すればするほど値崩れを起こします。
値崩れを考えるとできるだけ早くマンションを手放すことをお勧めします。物件の価値は年月とともに下がり、リノベーションや改修工事を行わない限り、価値が上がることはありません。
戸建ての場合は築11〜15年目までに価値が10%程度減額し、築15年以上になると下落のカーブが大幅にきつくなります。築15年〜30年は年を経るごとにどんどんと下落していきますが、築30年を超えると価格の下落は緩やかになり、それほど価値が落ちることはなくなります。
戸建ては築15年を超える頃から劣化が進み、修繕工事などが必要になってくるので、築15年を境に急激に価格が下がるようです。
一方でマンションは、新築というブランド力が非常に高いため築0〜5年で価値が2割も落ちてしまいます。もっと言えば、戸建てとは少し違い、築6〜15年の間はゆっくり価格が下落していき、築15年を超えると急激に価格が落ちます。そして築21年以上になると、価格が大幅に落ちることはなくなります。
マンションを売却したいと考えているのであれば、築6〜15年の間に売るのが一番です。逆に築21年以上になれば、いつ売却しても良いでしょう。
最後に考えなくていけないのは、手残りです。手残りとはマンションを売却した際に得る利益のことで、この利益は所得税の課税対象になりますが、マンションの所有期間により税率が異なります。
マンションの所得税は5年間隔で変わり、10年を超えて所有していると税率が下がります。税率は長く所有すればするほど下がっていき、5年以下では短期譲渡所得、5年以上では長期譲渡所得と振り分けられます。
また売却するマンションが居住用財産である場合は、所有期間10年超の居住用財産を譲渡した場合の軽減税率の特例が適用されるので、税金はさらに安くなります。
税のことを考えると、5年を超えるタイミングで売るのが一番です。
マンション売却に適した時期とは
なお、高くマンションを売るためには、季節に注意することも大切です。マンションや戸建てなどの居住用住宅は、2~3月に最も多く、そして最も高く売れます。
やはり4月の新年度スタートに合わせ引越しをする人が増えるので、2~3月に家を買う人は非常に多いのです。転勤の場合は特に直前に会社から命じられることが多いので、2~3月に焦って物件を購入する人が多いです。早く好立地の物件を買いたいという要望が高まるので、少し高いと感じても仕方がないと買ってしまう傾向にあります。
一方で4月に入ってしまうと、途端に売れなくなるため12月ごろから準備を始めて1月から販売をスタートし、2~3月の成約を目指すというやり方が、タイミングとしては一番ベストです。
なお、修繕工事直後もマンション売却に向いているタイミングです。前述した通りマンションは築15年以上になると、売却価格がどんどんと下落していきます。下落幅が大きくなる原因は、修繕が必要になるからです。
しかし定期的に修繕やリノベーションを行っていれば、築15年を超えていても価格が大幅に落ちることはありません。
買い手としては購入してもリノベーションを行わなくても綺麗であれば、相場より少し高くても買いたいと思います。そのため修繕工事直後は物件が売れやすくなります。
買い手は修繕履歴に関しても細かくチェックしています。いつどこを直したのかといった情報は重要な判断材料になるため、定期的に修繕などを行っているのであれば、買取希望者にしっかりアピールしましょう。
マンション売却に失敗しないためのポイント
①積極的に情報収集し、不動産会社に丸投げしない
不動産のことは良く分からないからと、自分で調べることもなく、不動産会社に全て任せっきりになってはいませんか?これは最もやりがちな失敗例です。
確かに不動産に関することは難解なことも多く、自分で調べるのは苦労も多いです。しかし不動産会社は自社での成約に結びつけたいという考えが大きいので、こんな価格では売れないと一刀両断し、少しでも安く売りに出し早期成約に結びつけようとしてきます。
不動産会社は売主のために少しでも高く売ろうという気持ちより、1件でも多く成約に結びつけ、仲介手数料を得たいという気持ちの方が大きいです。
そしてマンションは安ければ安いほど簡単に売れるため売主にこんな価格では売れないと、少しでも値段を下げさせようとするでしょう。
もし売主に正しい知識と情報があれば、不動産会社に騙され不用意に値段を下げることはありません。しかしそれが無ければ、「高いせいで売れないのか」と安易に値段を下げてしまうのです。
大事なポイントなので知っておいて欲しいのが、「この価格では売れない」というのは契約を取るための不動産会社の落とし文句です。もちろん事実であることもありますが、この言葉が事実なのか契約をまとめるための落とし文句なのかは、自分自身で判断するしかありません。
確かに不動産の知識には馴染みがなく、難しいところも多いですが、損をするのは自分自身になります。こうした損を出さないためにも、自分でも積極的に情報収集を行い、不動産の知識を身につけていきましょう。相場について知っておくだけでも、騙されることがなくなります。
②専属専任媒介である場合を除き、自分でも集客活動を行う
専属専任媒介では自分で見つけてきた顧客と契約することができないため、自分で集客を行なっても意味がありません。しかし専任媒介や一般媒介契約では、自分で見つけてきた買い手と契約ができるので、積極的に集客を行いましょう。
不動産会社では売れやすい物件から売っていきます。よっぽどのことがない限り売りにくい物件の売却に力を入れ、売っていくということがありません。
売りにくい物件をやっと売る間に、売りやすい物件が2軒売った方が入ってくる手数料は大きいです。そのため所有する物件が売りやすければ早期に買い手が見つかりますが、売りにくい場合は誰も集客に力を入れてくれないのです。
しかし物件は前述した通り、築年数とともに価値が下がります。そのためこのままにしておくと、どんどんと物件の価値が下がり、ますます売れなくなるという負のループに陥ります。
こうなってしまっては損をするのは自分です。値崩れを防ぎ早期売買を実現させるためには、自身でも売却活動を行う必要があります。不動産会社と打ち合わせを行い、売り出し計画を一緒に作成しましょう。
SUMMOやホームズといった大手ポータルサイトに掲載するだけでも、反応は全然違います。ただし掲載料も高いので、不動産会社と打ち合わせを行い、必要とあれば広告を出すといいでしょう。
③複数の不動産会社を比較し検討する
不動産会社の良し悪しで、マンション売却の成果は変わります。そのため最初の不動産会社選びは非常に大切です。
集客力と販売力のある会社を選ばないと、数百万円もの損失に繫がることもあります。不動産会社は多数あるので、その中で最低3社は声を掛け、必ず比較・検討してください。
大手だから、有名だからといった安易な理由で選んでしまっては、マンション売却に失敗してしまいます。
④焦ってコロコロと不動産会社を変えない
売りに出してもなかなか買い手が見つからないということは往々にしてあります。そんな時に、焦って不動産会社を変更する方がいますがこれは逆効果で、不動産を変えてしまったがために売れなくなってしまうことさえあるのです。マンション売却では売りに出してから売却が完了するまで6ヶ月と言われています。
しかし現実では6ヶ月以上かかるケースが多いのです。確かに広告を出してすぐに買い手が見つかる人もいますが、一方で買い手が見つかるまでに1年以上かかる人もいるのです。その間を取るから6ヶ月と言われているだけで、好条件を除き6ヶ月で成約に至ることは難しいです。
そのため焦って不動産会社を変えるのでなく、売却には時間がかかるということを理解し、長い目を持って焦らず待つようにしましょう。もしいつまでに売却をしたいと正確な日時をお持ちなのであれば、買取に出してもいでしょう。
また売却した時期の6ヶ月〜1年前から売りに出すと、ちょうど目的の時期までに売れるかもしれません。急いでいないから、売る予定は先だからと先延ばしにする方も多いですが、のんきに構えていると気づいた時には売りたい時期を過ぎているかもしれません。
⑤売却価格を簡単に変えない
値下げすると売れるからと、どんどんと値下げることはやめましょう。確かに値下げすれば売れます。しかし自分の売りたかった価格にはなりませんし、値段を下げれば下げる程収入は減ります。
売り出し価格を下げるのではなく、本当にやるべきことをやっているのか見直すことが大切です。
売り出し価格を下げるのは簡単でてっとり早い方法ですが、数十万円〜数百万円の減収に繋がります。
そのため安易に価格を下げるのでなく、物件や売り方などに問題がないか一から見直してみることが大切です。特に買取希望者のの声を聞き、希望者が不満に思い、成約に至らなかった点を改善していきましょう。もしかすると、懸念事項が解消されるならと一度は購入を取りやめた人が購入を再検討してくれるかもしれません。
⑥不動産会社の営業マンと良い関係を築く
買取希望者は必ずといっていいほど、価格交渉を行ってきます。この価格交渉に関しては、担当営業マンの手腕により双方の合意する価格が大きく異なります。
ベテラン営業マンであれば、買主の出せる最高額を、そして売主の許せる最低額を割り出し、探りを入れながらお互いの取っ手の妥協額を探していきます。その際に売主寄りの営業マンであれば、売主に少しでも有利に働くように話を進めてくれますし、買主寄りですと少しでも売却額が低くなるように努力します。そのため担当の営業マンを味方につけることも大切です。
不動産会社の報酬は、基本的に仲介手数料のみです。そのため買い手を見つけて、その買い手に現地を案内したり、いくら相談にのっても、その買い手が他の不動産会社を利用することになれば、不動産会社はタダ働きになるのです。
そのため不動産会社としても、いち早く売買契約を成立させたいのです。このように本来不動産会社と売主の早く成約させたいという気持ちは全く同じなのです。しかし売主の態度が悪ければ、営業マンは早く高値で成約させようと思えません。
不動産会社では売買契約が成立すると、売買契約書に記載された仲介手数料を請求することができます。ただし基本的に媒介契約書には引渡までのサポートをすることと書かれているので、契約段階では半分しかもらうことができません。そして売買契約が終わると、全額の仲介手数料を受け取ることができます。
不動産会社との付き合いも、結局は人と人との付き合いです。嫌な態度を取る人に優しくしよう、その人のために頑張ろうとは基本的に思いません。
逆に優しく、思いやりのある売主の物件は、少しでもいい条件で頑張って売ろうと思うものです。マンションの売却に失敗したくないのであれば、不動産会社の営業マンに嫌な態度を取るのはすぐにやめて感謝を伝えるようにしましょう。
不動産のおすすめ一括査定サービス
不動産会社を探すときは、一括査定サービスを利用されることをおすすめします。
マンション価値を知るために査定に申し込もうと考えた時、従来であれば不動産会社を1社づつ調べ、アポを取り、同じ説明を不動産会社それぞれにしなければいけませんでした。またせっかく連絡をしたのに、不動産の売買をやっていないと断られてしまったり、貴重な休日に複数の不動産会社を回っていては、自分の時間がなくなってしまいます。
しかし一括査定サービスでは、オンライン上で不動産情報を入力すれば、その情報が複数の不動産会社に届きます。そのため同じ説明を何度もする手間が省けるのです。
さらに24時間いつでも査定依頼が可能なので、不動産会社の営業時間を気にする必要もありません。
一括査定サービスでは最初に売りたい物件の種類と地域を登録する必要があるため、この地域のマンションの売却は得意だという業者からしか連絡が来ません。
この地域は専門外だ、対応できない、マンションの売却よりも戸建ての方が得意だという業者は最初から連絡をしてこないので、自動的に不動産会社の選別ができます。
一括査定サービスには全国の不動産会社が登録しているので、全国にある会社から一番希望にあった会社を簡単に探すことができます。
おすすめ一括査定サービス:イエウール
イエウールのメリットの一つは、登録している不動産会社の数が1,900社と、業界最大規模であることです。不動産会社の選択肢は多ければ多いほどいいです。また前述した通り、地域が担当外であることも多いので、1,900社から連絡をもらえるわけではありません。そのためこんなに多いと困る!ということはありません。
連絡が来た業者から話を聞き、良いと思った業者を5、6社呼び、実際に営業マンと顔を合わせて話を聞いてみるといいでしょう。
「一括査定サービス」をうたっていても、紹介できる会社が少なければ、いい一括査定サービスとは言えません。
イエウールは大手不動産会社の提携社数もエリアカバー率も業界No1です。
そのため大手からも査定してもらうことができますし、地域密着型の街の不動産会社からの査定もしてもらうことができます。
両社の視点からの査定額をすることができるので、物件の価値を容易に知ることができます。
イエウールの2つ目のメリットは、参画している不動産会社の売却力が高いということです。
イエウールでは利用者からのクレームの多い不動産会社とは、契約解除しています。そのため悪徳不動産会社が登録業者の中におらず、安心して売却を任せることができます。
さらに登録不動産会社数が多いので、サイト上でも競争が起き、提案の質が非常に高いです。イエウールで一括査定を申し込む際に必要な情報は、売却するマンションのエリア、不動産の種別、マンション所有者との関係、土地面積、建物面積、間取り、築年数、利用者情報(連絡先など)、依頼する理由、希望する査定方法です。これだけ入力するだけなので簡単です。
日本最長の運営実績:HOME4U
不動産の一括査定サービスの中で一番長い歴史を持つのが、HOME4Uです。HOME4Uではスマホやパソコンから、複数の不動産会社に依頼を出すことができます。時間と場所を選ばないので、隙間時間に査定を申し込むことができます。
サービス提供が18年を超える老舗の不動産査定サービスということもあり、個人情報の入力も安心して行えます。
HOME4Uではシステム側が最適な不動産会社を見つけ、自動的にピックアップします。登録業社は大手から地域密着型の不動産会社まで全国に1,300社以上です。運営元はNTTデータグループという点も安心して利用できるポイントで、個人情報のセキュリティも万全です。
査定実績は累計35万件以上と、実績も申し分ありません。優良な不動産査定のみを厳選しており、悪質な不動産会社がいないかサイト上を常にパトロールしています。
大手不動産会社にのみ依頼可能:すまいValue
すまいValueは国内の大手不動産会社6社により運営されている一括査定サイトです。その6社とは野村の仲介+、住友不動産販売、三井のリハウス、東急リバブル、三菱地所ハウスネット、小田急不動産です。
どの会社も知名度が高いので、不動産に興味のない人でも聞いたことある会社名ばかりでしょう。すまいValueでは実績と信頼のある大手不動産会社6社にしか、査定の依頼が届きません。
そのため安心してサービスを利用できるのです。事実すまいValueのアンケートでは96.7%の人が、トラブルなく安心・安全に取引出来たと回答しています。
6社合わせて全国に830店舗あるので、どこにお住まいであってもサービスを利用することができます。年間の仲介成約数も10万件以上です。
この大手6社は特に都市部の不動産売却に強いという特徴を持っています。都市部で売却をお考えであれば、すまいValueを利用されるといいでしょう。所要時間60秒の簡単入力で、査定の依頼を出すことができます。
一括査定サービスを申し込むとしつこい営業を受ける?
一括査定サービスを申し込むと、しつこい営業活動にあうのではと心配する人も多いはず。
引越し料金の一括見積もりサービスなど様々な一括査定サービスがありますが、申し込んだがために知らない会社から頻繁に営業電話がひっきりなしにかかってきて、迷惑しているという人も確かにいます。
複数社に依頼すると今度は断りの連絡をするのが面倒だという懸念もあるでしょう。
しかし昔と違い、今はしつこい営業活動を行うと、すぐにネット上の口コミで広まってしまいます。そのためそのような営業活動をする不動産会社はありません。
それよりも多くの不動産会社を利用することで、多角度的に様々なアドバイスや意見を受けることができるというメリットの方が大きいです。
査定サービスで注意しなくてはいけないことは、営業電話ではなく査定価格についてです。不動産会社からの査定額は高ければ良いということとはありません。
一括サイトで査定後は、早めに訪問査定を受けよう
査定の方法には大きく分けて机上査定と訪問査定の2つが存在します。
机上査定では実際に物件を見ないで、周辺の相場を参考に概算金額を査定します。あくまで数字や条件を見ての判断のため、正確性に欠けます。
訪問査定では実際に現場に足を運び、物件の状態を見てから査定をするのでより正確な査定額が出せます。
訪問査定を受けなければ精度の高い査定は提示されないので、一括査定サービスで概算額を受けとった後には、できるだけ早く業者を呼び訪問査定をしてもらいましょう。
なお、査定額には以下のポイントが影響すると言われています。
①立地
最もマンションの査定額に影響を与えるのが立地です。都市部の場合は駅からの距離が最も重要で、駅から徒歩10分以内のマンションは高評価にあります。駅からは近ければ近いほどいい物件と言えます。
ファミリー向けのマンションの場合は、駅から少し遠かったとしても子育て環境が良ければ評価は上がります。
買い物に便利で学校や保育園、公園が近く、治安がいいといった物件はファミリー層に人気です。
②階数・方角
マンションの区分所有の場合は、3階以上の部屋の方が高く売れます。また南向きの部屋や角部屋、専用の庭やバルコニーがあるかないかも価格を大きく左右します。
しっかり陽の光が当たるかどうかが大切なので、南向きでも隣のマンションのせいで陽の光が入らないのであれば、価格は高くなりません。
③間取り・設備
使いやすい間取りや最新設備、広い部屋は査定額アップの材料になります。最新設備の備えられた物件は、人気が高く売りやすいです。
特に防犯性を高めた設備や暮らしを豊かにする設備を備えることが大切で、ファミリー層には広々としたキッチンや浴槽が喜ばれます。
④管理会社と管理状況
マンション全体の管理がしっかりしていれば、マンションの価値は上がります。
管理人が常駐しているか、掃除・メンテナンスがしっかりされているか、ゴミ置場は綺麗な状況か、トラブルを引き起こす問題住民が住んでいないかということも大切です。管理状況に不備がある場合は、マンションの管理組合や管理会社に連絡し、改善してもらいましょう。
⑤築年数・マンション構造
築年数は耐震基準を判断する上で非常に重要です。1981年以降に建築許可が降りた物件は、新耐震基準が適用されています。それ以前に建てられた物件は、旧耐震基準評価が適用されているので評価額が下がります。
ただし1981年以前の物件であっても耐震補強工事がされていれば、大幅に価値が下がるということはありません。
また築年数が古くても、外壁塗装を行うなどメンテナンスが行われていれば、大きく価値が下がることはないでしょう。
建物の構造では、鉄骨鉄筋コンクリートが最も人気で、次に鉄筋コンクリート、最後に鉄骨造です。
鉄骨鉄筋コンクリートや鉄筋コンクリートは、建築費が高いですがその分強固で遮音性にも優れているので、安心して住むことができます。マンション全体に高級感があり、エントランスや材質にこだわっているなど建物の質が高いことも大切です。
⑥施工会社
どの施工会社が施工したマンションなのかも、査定額に影響します。大手が施工したマンションは根強い人気があります。
⑦充実した共有設備
共有設備が充実していることも大事なポイントで、オートロックや監視カメラの有無をチェックされます。セキュリティの高さが最近では重視されています。
最近ではネット通販の普及から宅配ロッカーのあるマンションも人気です。ペットの足洗い場や洗車場、歓談・休憩スペース、エントランスのソファーなども高評価に繋がります。
高級マンションや大規模マンションでは、ゲストルームやコミュニティルームがあるとより良いでしょう。
⑧設備や内装の傷み具合
築年数の経っているマンションや設備や内装の痛みの程度も確認されます。中古マンションではリノベーションを前提に売買されるので、リノベーションで簡単に直る程度の傷みであれば、評価が下がることはありません。
しかし簡単なリノベーションで直すことのできない深刻な痛みは評価を下げられます。
特にペットを飼っている人やタバコを室内で吸う人は、匂いが取れないということがあるようです。
⑨管理費・修繕積立金の滞納
管理費・修繕積立金の滞納があれば、買い手は購入と同時にその滞納分も引き受けることになるため、滞納がある場合は値引きを要求されることも多いです。
「滞納するような前入居者の家には住みたくない」という人もいるので、滞納は解消させておくことをお勧めします。
⑩駐車場
都会であればさほど重視はされていませんが、それでもファミリー向け物件であれば1家族に1台分の駐車スペースは欲しいところです。
そのため駐車場を利用できるのか、駐車場は平面か機械式かという点も大事です。分譲マンションの駐車場は、賃貸方式か分譲方式かのどちらになります。
賃貸方式ではマンションが売却されると、駐車場の権利も消滅するため、次の入居者が改めて申し込む必要があります。
分譲方式では部屋と駐車場がセット販売されるので、次の入居者は申し込みをしなくても駐車場を利用できます。もちろん駐車場の利用権が付いているマンションは、査定額が上がります。
査定時にはマイナス面も正直に伝えるべき
査定額に影響するポイントの多くは実際に見てみないと、分からないことだらけ。だからこそ早めに訪問査定に来てもらうことは大切なのです。また訪問査定時には住んでみないと分からないことも伝えましょう。
その際にはプラス面もマイナス面も伝える必要があり、通学路が安全で、部屋はリフォームしたばかりといったプラス面のことや近所にゴミ屋敷がある、漏水したことがあるといったマイナス面のことまで伝えた方が査定は正確になります。
また売却する際もマイナス面について事前に伝えておいた方が、後々トラブルに発展しません。マンションを売却する際は売主に、瑕疵担保責任があります。
瑕疵担保責任とはマンション売却後に通常では気づかない欠陥が見つかった場合、一定期間売主は修繕費用を支払う義務があるということ。そのためマイナス面を言わないでおくというのは、売主にとっても得策ではありません。
それよりも「実はこんなマイナス面がありますがいいですか?」と、買主に最初に説明しておく方が賢明です。
マンションの査定アップに役立たない行動
①リフォーム
少しでも査定額をアップさせたい!と、リフォームを行う人もいますが、あまりおすすめできません。
例えば400万円かけてリフォームしたからといって400万円高く売れるわけではなく、評価額もさほどアップしません。そればかりかリフォームが不要ということさえあります。
というのも最近では、DIYが流行しているため、中古マンションを購入して自分で直したいという人も多いのです。自分でリフォームしたいという声が大きいので、リフォームすると逆に売りにくくなってしまいます。
ただし必要に応じて修繕は行うべきでしょう。例えば漏水やカメラ付きインターホンのカメラが映らないといった設備故障は、直さないといけません。
壁紙の傷といった細かいものを修繕する必要はありませんが、設備が使えるようにすることは大切です。売却の際には不動産会社と打ち合わせを行い、どこを修繕すべきなのか話し合いましょう。
②ハウスクリーニング
高く売るためにはプロのハウスクリーニングが必要だと考える方いますが、査定を受ける段階でわざわざ高額なお金を払ってプロにクリーニングしてもらう必要はありません。
ただしマンションの売却が始まり、内覧者が増えてくると最低限の掃除と整理整頓は必要です。
内覧者はプロではないので、家財道具を置いてある状態の部屋の印象に左右されてしまいます。そのため不要なものを処分し、綺麗にしておかないと物件に良い印象を持ってもらうことができません。
そのため内覧の前には、プロのハウスクリーニングを頼むことをおすすめします。
マンション売却時に不要な家具は処分すべき?置いておくべき?
マンションを売りに出す予定だけど、家具はどうしよう?と悩むこともありますよね。
新居に持っていける家具と持っていけない家具があるかと思いますが、家具の処分費にはお金がかかるし、次に住む人が欲しい場合あげたいからそのまま置いておこうという人もいます。
しかし基本的に売却予定のマンション内は、空き家に近い状態の方が売れやすいのです。
家具付きマンションが売りにくい訳
家財道具が付いたマンションは買う方からしても新しく家具を買う必要がないので、プラス要素になるのではと考える人も多いかもしれませんが、実際はその逆です。
家具にはやはり趣味が反映されてしまうので、どんなに高くていい家具であっても、趣味が合わなければ使いたくはありません。
新生活には新しい家具でリスタートしたいと考えてる人が多いので、古い家具をそのまま使うことに抵抗をがある人も多いでしょう。
家具を処分したからといって、「家具付きが良かった」「家具が欲しかった」と残念がる買主は非常に少なく、これはレアケースです。
仲介に入る不動産会社の営業マンも家具がついたままの状態を好みません。というのも、家具をどうするか考えなくていけないという負担を買主に負わせてしまうからです。
買主は部屋を買うという選択のほかに、家具の処分についても考えるという二重の負担を迫られてしまうのです。
部屋の見た目も家具が置いてある状態よりもないほうが部屋も広く見えますし、「新しい部屋をこうしたい!」という買主のイメージも膨らませやすくなります。
もし家具の処分にはお金がかかるし、中には家具を使いたい人もいるはずだとお考えならば、一度仲介する不動産会社に相談してみましょう。
なお、売却の広告を出してから内覧までは、最短で1週間ほどです。実際に内覧者が来るまでの間に部屋を綺麗にしておく必要があります。
売却活動を始めてから、部屋の片付けに入ってしまうと片付けが間に合わないケースもあるため、売却を決めたらすぐに部屋の片付けに入りましょう。要らないものを捨てるだけでも、スッキリして部屋の印象は良くなります。
マンション売却時には部屋を空き家に近付た方がいい理由
①内覧への案内がスムーズになり、気を使う必要がなくなる
空き家の方がいい理由の一つ目が、内覧の案内をスムーズに引き受けることができるという点です。
空き家の状態になっていれば、いつでも不動産会社の担当者は内乱に案内することができます。
しかし家財道具が置いたままであったり、入居中の場合は「何月何日の何時に内覧が可能かどうか」をいちいち確認しなくてはいけません。
これは買主としても非常にマイナスで、いちいち聞いて返事を待たなければいけないなら、ほかの似た物件でいいと内覧自体を止めてしまうことさえあります。
家財道具が置いてあると内覧する時にも、家具を傷つけないようにと気を使ってしまい、気兼ねなくゆっくり部屋を見ることができないでしょう。
家財道具を置いていなければ、部屋の鍵を不動産会社に預けることも可能なため、不動産会社が鍵を管理すれば、好きなタイミングで買主を内覧に案内することができるのです。
内覧の数を増やすことは、売れる可能性を増やすことと同じ意味。内覧数は増えれば増えるほどいいので、いつでも内覧可能な状態にしておくことは非常に大切です。
完全に空き家にすることが難しい場合は、できるだけ物を減らしたり、毎回掃除や整理整頓を行なって少しでも部屋の印象を良くしましょう。
②空き家の方が購買意欲が高まる
物がある状態とない状態で買主の購買意欲を比較すると、物がない方が圧倒的に購買意欲が高まります。
何もないスペースは部屋が広く見えて、どこにどんな家具を置くのか、この部屋は誰が使うかといったイメージをふくらませやすいからです。
投資用マンションを売却するときのポイント
マンション売却ついて説明してきましたが、「複数の不動産会社を比較検討した方がいい」という点や「査定額は売り出し価格ではない」という点は、一般のマンション売却も投資用不動産マンションの売却も基本的に同じことばかりです。
ただし少しばかり一般のマンション売却とは違う点もあるため、ここからは”投資用マンションならでは”の売却ポイントについてご紹介します。
①投資用マンションは価格の決まり方が異なる
居住用マンションでは周辺の売却相場に合わせて価値が決まっていきますが、投資用は違います。
投資用マンションの価格算出方法は、純収益(想定年間賃料−年間出資額)÷還元利回りです。
還元利回りとはマンション購入額に対する利益の割合のことです。例えば3000万円の中古マンションを購入し3000万円の利益を得たら、還元利回りは10%です。
還元利回りが高いと物件のリスクが高く、不動産価値が低いとみなされ、逆に還元利回りが低いと物件のリスクが低く、不動産価値が高いといえます。
投資用マンションの価格はこのように決まっていくので、周辺の相場や過去の取引との照会は行われません。
投資用マンションを高く売る方法
①満室またはそれに近い状態で売る
満室や満室に近い状態で売ることができれば、還元利回りが下がるので高く売れやすくなります。
そのため今は満室だから売るのを後回しにしようではなく、満室の今こそ売ろうと、考えることが大切です。
「そう簡単に満室にはならない」と、諦める必要はありません。フリーレントを使えば、空室にお悩みの物件も満室に持っていくことができます。
フリーレントとは家賃を一定期間無料にするサービスです。家賃を3ヶ月無料などとPRすると、入居者を集めやすくなります。
また満室にするために、家賃を下げるのは得策ではありません。購入者は家賃の価格を計算して購入を決めるので、家賃の価格が安いと購入金額も安くなってしまうのです。そのため家賃を維持したままフリーレントを使えば、高い賃料のまま満室にできます。
②築10年を目安に売却する
投資用マンション購入者の多くは、築年数を気にしています。というのも築10年を過ぎると5〜10年に一度のペースくらいで修繕が必要になってくるからです。特に築20年を超えた頃には、大規模な修繕が必要になり多額の修繕費を要します。
そのため、高くマンションを売却したいのであれば、築10年を節目として考えましょう。
投資用不動産マンションの運用に失敗した場合、損きりは早めに
投資用不動産マンションの運用に失敗したと感じたならば、できるだけ早く損切りすることが大切です。
早めに損切りを行うことで、次の投資に繋げていくことや借金を膨らませずに済ませることができます。
「もったいない」「もっと高く売れたはずなのに」といった感情は置いておき、将来性のない物件は早めに区切りをつけましょう。