アパート経営は地獄?リスクと解決法、メリットやデメリットまで解説

アパート経営のメリットデメリット・リスクを解説

不動産投資は、ローリスクにはじめられる投資として有名ですが、リスクが低いだけで完全にノーリスクではありません。

なかでもアパート経営は初期費用が安く初心者でもはじめやすいと言われているものの、リスクを理解しないままに進めると大損をする可能性もあります。

そこで今回は、アパート経営をはじめる前に知っておきたいメリットデメリットやリスクを解説!マンション、アパート、戸建、シェアハウスなどの経営形態とも比較してみました。

アパート経営のメリット①安定した収入を期待できる

アパート経営とは簡単に言うと、アパートを建てるもしくは購入し、賃貸運営を行うことです。

アパート経営では毎月安定した収入を、長期間に渡って見込むことができます。

アパート経営は景気に左右されにくいため、株や先物取引などと違いローリスク投資です。

時間的拘束がないので、サラリーマンの方でも副業として始めやすいと言う特徴があります。

アパート経営のメリット②資産として土地が残る

アパートを建てるにも、購入するにも資金が必要です。

しかし今現在、貯金や金銭的な余裕がなくてもアパート経営は始めることができます。

アパート経営では毎月の家賃収入からローンを返済していくので、今現在の収入が減ることがありません。

現在の給与や所得に手をつける必要がないのです。ローン完済後は無担保の土地を手に入れることができます。

自己資金の目安としては、物件価格の1〜2割が目安だと言われていますが、自己資金400万円未満で経営を始めるオーナーも増えているようです。

アパート経営のメリット③インフレ対策に効果的

日本では物の値段が下がり、経済全体が収縮していくデフレが長期にわたって続いてきました。

さらに最近は円安が続き、日本経済の行く末が危ぶまれています。

今後、物価は上昇傾向に向かうことが予測されており、物価が上がるとお金の価値は相対的に低くなるので、資産を現金のまま保有していると価値がどんどん目減りする可能性があります。

その点、アパート経営は不動産という「物」を所有・運営する投資方法なので、インフレ対策になります。

アパート経営のメリット④生命保険の役割を果たす

ローンを申し込む際は、銀行が指定する団体信用生命保険に加入する必要があります。

そのため、オーナーにもしものことがあっても、ローンの残額が生命保険により完済されます。

残された家族は完済済みのアパートが手に入り、毎月の家賃収入も得ることができるのです。

一家の大黒柱を失うことになっても、残された家族が経済的に困窮することはありません。

アパート経営のデメリット①空室リスクが常につきまとう

これは不動産経営全般に言えることですが、アパート経営と空室リスクは切ってもきれない関係です。

空室率は地域や周辺環境などによって異なりますが、最も空室率の低い東京でも14.5%、最も空室率が高い福井県では30.1%に及んでいます。

特に最近はアパート経営が人気となり競争が激化してきているので、空室対策としての工夫は必須と言えるはずです。

しかし、信頼できる不動産会社(パートナー)がいれば、空室リスクを最小限に抑えながらアパート経営ができるでしょう。

アパート経営のデメリット②経年劣化による老朽化リスクがある

こちらも不動産投資全般に言えることですが、アパート経営には経年劣化による老朽化リスクがつきものです。

新しく建てたばかりのアパートはきれいで頑丈ですが、年数の経過とともにあちこちが傷み始め、老朽化が進んできます。

ちょっとした修繕ならそれほどコストはかかりませんが、大規模な修繕を行う場合は多額のリフォーム費用がかかるため、毎月の維持・管理費用とは別に修繕費を積み立てていくことをおすすめします。

アパート経営のデメリット③住民トラブルが発生する可能性がある

アパートのように入居者同士の距離が物理的に近い物件では、住民トラブルが発生しがちです。

特に木造や軽量鉄骨のアパートだと、「隣人の生活音がうるさい」「ゴミ捨てのルールを守らない入居者がいる」「ペット禁止なのに飼っている入居者がいる」などのクレームが寄せられると、何らかの対処を求められます。

こうしたトラブルを放置していると退去者が増えて、アパートの空室問題が深刻化するおそれがあるので、なるべく早めに対処しておきたいところ。

管理会社と契約している場合はこうしたトラブルにも対応してもらえますが、オーナーにも定期的にアパートを訪問してトラブルがないか確認したり、住民と適度なコミュニケーションを取ったりする努力が必要でしょう。

アパート経営成功の可否は、立地によって決まる?

ここだけの話、アパート経営が成功するか失敗するかは立地次第といっても過言ではありません。

仮に老朽化が進んだアパートであっても、立地さえよければ必ず入居者が集まります。

逆に言えば、立地の悪いアパートは、新築であったとしても入居者を集めるのは難しいのです。

アパートを選ぶ際に、絶対に譲れない点は駅から徒歩15分以内の立地であること。駅から15分以上離れると、途端に入居者が入りにくくなります。

都心部に近く、駅から徒歩10分以内の好立地であれば、入居者募集で苦労することは少ないでしょう。

アパートの管理会社は補償の手厚さで選ぼう

初めてのアパート経営では、補償の手厚い管理会社を選ぶといいでしょう。

アパート経営における煩わしい管理業務を全て代行

管理会社にアパート経営の代行を依頼すると、入居者募集から家賃集金、退去時清算、クレーム対応、清掃まで全てを行ってくれます。

煩わしい日々の業務は一切なく、オーナーは毎月振り込まれる家賃を手に入れるだけです。

管理会社によっては、24時間のサポートや税金面でのアドバイスなども行っています。

毎月の入出金の管理や年に一度の確定申告しか、オーナーの仕事はないので忙しい方でも雑務に追われることはありません。

一括借上家賃保証システムで入居率リスクを回避

アパートの入居率が不安な方は、一括借上家賃保証システムを利用するといいでしょう。

一括借上家賃保証システムでは、管理会社がアパート1棟を丸々借り上げ、オーナーに一定の賃料を支払うシステムです。

管理会社が全ての部屋を借り上げるので、入居者が集まらないといった不満や入居者が集まらず家賃収入からローンを返済できないといった不安がありません。家賃滞納リスクも回避することができます。

アパート経営に関するリスクと解決法

メリットデメリットを理解したうえでアパート経営に挑戦してみるのであれば、以下のリスクと解決法を覚えておきましょう。

アパート経営に関するリスク①空室

入居者が集まらず、空室率が高くなることがアパート経営のリスクの一つです。

部屋数が多いと、1~2室埋まらなかったとしても大きな痛手にはなりませんが、部屋数が少ないアパートで空室が多くなったり、家賃収入がローンの返済額に届かなかったりするレベルだと経営が苦しくなります。

アパートの空室にお困りのオーナー様は、以下のことを見直してみましょう。

→アパートの家賃は適正価格ですか?

当たり前の話ですが、家賃が相場とかけ離れて高いと入居は見込めません。空室は家賃を相場に合わせることで、埋めていくことができます。

近隣の物件と比較し、設定額に問題がないかもう一度見直してみましょう。

→アパートの管理会社を変更してみることで空室率が改善

物件の管理を依頼されているアパートオーナー様の方が多いかと思いますが、管理会社に任せっきりになっていませんか?管理会社なんてどこも同じだと思われるかもしれませんが、それは誤解です。

管理会社によって、「空室を埋めるための努力の度合い」が全く違います。特に大手の管理会社ではほぼ何もしていないケースや、努力してもらうためには、その分お金を積まなくてはいけないケースも多いでしょう。

集客率が高く、熱意のある管理会社に変更しただけで、空室が満室へと変わったと喜ぶオーナー様も多いので、管理会社に不信感をお持ちであれば、いっそのこと変えてみるという決断も大切です。

アパート経営に関するリスク②家賃滞納

いくらアパートが満室になっていても入居者からの家賃が支払わられない限り、収入は0です。

未納の入居者を追い出すことは可能ですが、面倒な手続きを行わなければいけませんし、今までの損失を取り戻せるとも限りません。

→滞納の回収を依頼する

家賃の滞納をオーナー自らアパートの入居者に連絡し、支払いを促すのは大変です。

オーナーだと分かれば電話にも出ず、居留守を使うこともあるため、家賃の回収は専門の家賃滞納回収業者に任せてしまいましょう。

管理会社に管理を委託している方は、管理サービスの一つに家賃滞納回収がついていることもあります。

アパート経営に関するリスク③災害

最近増えてきている地震や大雨といった自然災害。火災、地震のリスクも、アパート経営にはつきものです。

災害のリスクは建物の損害だけだとお考えのオーナー様も多いかもしれませんが、決して建物の被害だけを指すわけではありません。

入居者に万が一のことがあった場合、オーナーに責任が求められることもあります。

→日々の設備点検を怠らない

防火設備の不備などにより、入居者が怪我をしたり死亡したりといった場合、損害額は億にまで達してしまうことがあります。

火災保険は必ず加入し、物件や設備の点検は必ず行い、消防からの指導にも従うようにしましょう。

アパート経営に関するリスク④資産価値・家賃相場下落

経年劣化や相場の下落により、所持しているアパートの価値が下がってしまうことがあります。

価格相場の下落は地方になればなるほど急激なものになり、大都市であればゆっくりという傾向があります。

人口減少に少子高齢、増税、不景気などなど、様々な原因により不動産価値の下落が近年続いています。

現在アパートをお持ちではない方は、底値で購入できるというメリットもありますが、現在不動産を購入され、所有されている方からすると由々しき事態です。

→リノベーションで物件の価値を高める

資産価値や家賃価格の下落は、リノベーションやリフォームなどで取り戻せることもあります。

家賃が高くなったとしても、やはり綺麗な部屋に住みたいと希望する入居者も多いもの。

そのため、”安くて汚い”よりも、多少家賃が高くても綺麗な方が喜ばれます。

特に女性は水回りが綺麗かどうかをよく見ているほか、オートロックを導入すると若い女性の安心感も強いです。

リフォームは大掛かりな工事ではなくても、防犯カメラをつけるといったことからでも始めることができます。

改装で資産価値を維持し、アパートの家賃が値下がることを防ぎましょう。

アパート経営に関するリスク⑤事故物件

あってはならないことですが、入居者が部屋で自殺してしまったり殺害を起こしたりといったリスクも0ではありません。

当たり前ですが、事故物件に住みたい!という変わり者はほとんどいないので、一部のマニアを除き、通常事故物件に入居者が入ることはないでしょう。

特に大きな殺人事件になってしまった場合、報道されてしまったり、ネット上に情報が出てしまうことがあります。

→入居者に事故物件であることを伝えない

事故物件については入居者へ契約の際に伝えることが義務ですが、これは事故後すぐの入居者のみで、2人目の入居者には伝える必要はありません。伝えるか伝えないかはオーナー次第です。

そのためまず知人や友人などに短期間アパートの部屋を貸して住んでもらい、その後出てもらうと次の入居者に伝える義務は全くないのです。

やはり事故物件は嫌煙されるため、知らなければ知らないで良かったと考える方もいるので、必ずしも伝えることが良いとは限りません。

伝える必要のないことを、わざわざ伝えることはないでしょう。また事故物件は相場より安い価格で借りることができるので、幽霊を全く信じない人からすると、事故物件に住みたいとあえて希望することもあります。

→リノベートして共用スペースや駐車場などにする

金銭的に余裕のあるオーナー様やアパートの規模などにもよりますが、事故が起きた部屋を入居者の共用スペースに変更したり、部屋を取り壊して駐車場などにしてしまうのも一つの手です。

アパート経営には全くのリスクがないとは言えませんが、どんなリスクと出会っても解決することが可能です。未来に何が起こるかは誰にもわかりませんので、いざという時のため保険への加入は必ず行いましょう。




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