マンションの売却を相談する際のポイント
マンションの売却を検討しているものの、「誰に相談したらよいか」さえわからずに困っている方も多いことでしょう。また、相談するにしても「何から相談したらよいかわからない」という方も少なくありません。
この記事は、マンション売却の相談相手の選び方や、相談する際のポイントについて解説していきます。
マンション売却の相談先を選ぶ際に知っておきたいこと
マンション売却を考える時に、相談先としてどの不動産会社を選ぶかはとても重要です。
自分にとってベストな不動産会社を選ぶためには、不動産の売却の仕組みについて知っておく必要があります。
一般的に、不動産を売却する場合は不動産仲介業者に「媒介を依頼」する形となり、個人が居住用の不動産を売る場合は、買い手も個人の場合がほとんどです。
不動産仲介業者は、売却を依頼された物件について調査を行い、広告や既存顧客への紹介などの売却活動を行い、買い手を探して成約に結びつけるという一連の業務を担当します。
不動産仲介業者に媒介を依頼する場合は「媒介契約」という契約を結ぶ必要があり、大きく分けて「一般媒介契約」「専任媒介契約」「専属専任媒介契約」という3つの方法に分けられます。
まず、「一般媒介」の場合は、複数の仲介業者に売却を依頼することが可能です。メリットとしては、競争の原理が働くことを期待できるほか、各社のネット媒体に一斉に掲載されるため、多くの買主の目に届く確率が高いことが挙げられます。
その一方で、売主への報告義務がないために仲介業者からの細かいフォローがあまり期待できないことや、それぞれの仲介業者が他社でどのように話が進んでいるのか全く把握できないというデメリットも。さらに広告活動などの動きが取りにくく、予算を十分にかけられないという側面があります。
そのため、一般媒介は不動産業者にあまり頼らず自主的に売却活動を進めたいという方に向いている媒介の方法です。
「専任媒介」「専属専任媒介」は1つの仲介業者に売却活動を依頼する方法です。それぞれ7日と5日以内に指定流通機構(レインズ)への登録が義務付けられており、物件情報は他の不動産業者も閲覧することができます。
また、それぞれ2週間もしくは1週間に1度の売主への報告が義務付けられているために、細やかなフォローが期待できます。
自分主導で売却するのではなく、依頼先にさまざまな面で頼れるような役割を期待するのであれば、専任媒介・専属専任媒介で1社に任せることを前提に不動産業者を選ぶべきでしょう。
媒介だけではない!さまざまな売却方法を知っておこう
マンション売却には媒介契約のほかにもさまざまな方法があります。
「買取」という方法は、業者にマンションを買い取ってもらうというシンプルな方法です。
買取専門業者やリノベーション物件やリフォーム物件の専門業者が中心となっており、取引数も増加の傾向にあります。
都市部では景気に関係なく新築マンションの完売が相次ぎ、人気のエリアでは物件が不足気味です。
こういったエリアでは中古マンションも人気が高く、内装のみをリフォームした物件や、給排水管や間取りにまで手をいれたリノベーションマンションが人気を集めているため、専門業者も積極的に買取を行っているのです。
買取は価格交渉さえまとまれば、すぐに物件を現金化できるという最大のメリットがあります。買い替えで新しい物件のために至急自宅を売却して資金を用意したい場合などにぴったりの頼もしい存在です。
現金化までの期間は業者や取引の条件によっても違いはありますが、最短で1週間前後というところも多くあります。緊急で資金を用意しなくてはいけない場合などは、買取業者に相談してみるのがおすすめです。
ただし、一般的には仲介による売却よりも価格が低くなる傾向があります。これはリフォームなどの工事をしたうえでの再販売を前提としており、買取価格の上限が決まってしまうからです。
それでも、部屋が老朽化したり傷んだりしてリフォームをしないと売り出せないような物件であれば、自分でリフォームをして仲介による売却活動をするよりも、直さずに買取に出してしまった方が結果的に得になるケースもあります。
また、仲介業者に依頼して売買を行った場合は、成約時に仲介手数料が発生します。
一般的には3%+6万円(+消費税)で、金額の大きい取引の場合はかなりの経費となってしまいますが、業者による直接の買取であれば仲介手数料がかからないというメリットもあります。
そのほかには、「自己発見取引」という売却の方法もあります。文字通り自分で見つけてきた相手と直接取引する方法で、媒介契約による売却活動の途中で自分で買取業者を見つけ取引する場合も含まれます。
ただし、「専属専任媒介」の場合は自己発見取引ができないので、注意しましょう。
売却を相談する前にまとめておくべきポイント
売却の相談をする前には、自分の中で「成約価格」と「成約時期」の重要度を決めておくことが大切です。もちろん「早期に高い価格で成約」が理想的なのですが、万が一売却活動がうまくいかなかった場合に備えて、最初に決めておくべきポイントだといえます。
マンションの売却に成功する人は必ずこの点について頭の中で整理しており、売却計画にも織り込んでいます。
さらに、優秀な不動産会社のスタッフは売り出し価格の見直しや時期などについて極めて具体的に基準を設けており、広告活動の計画もずいぶん先まで具体的に日取りを決めています。
逆に失敗してしまうケースは、売主が成約価格にこだわるのか早期の売却にこだわるのかを決めきれていない場合がほとんど。少しずつ値下げを続けて様子見していると、時間がかかったわりに納得のいかない成約価格になってしまうのです。
自分の中での重要度が整理できれば、相談先の不動産会社も自ずと決まってきます。
「譲れない条件が多すぎて業者を選べない」という方も安心してください。大手の不動産業者を中心に、これまで述べた様々な売却の方法を併用できる業者が増えてきています。
わかりやすい例が、「買取保証」のサービスを提供している仲介業者です。相談や査定の段階で希望の成約価格を決め、当初は媒介契約によって売却を依頼します。
集客力のある不動産業者に依頼し、希望価格も適正な範囲であれば多くはこの段階で成約しますが、万が一成約しなかった場合でも決められた期日に買取に切り替えてもらえるというサービスです。買取に切り替わる場合は、その時点で仲介手数料も不要になるというメリットもあります。
また、このサービスでは買取価格が景況に関係なく、当初の約束の額で買取をしてもらえるという安心感があります。
特に買い替えによる売却の場合は「重要度」のバランスの取り方が難しいため、売却活動に入る前の段階で信頼できる不動産業者に資金計画をしっかりと相談し、この制度をうまく利用していくことがおすすめです。
新しい物件の資金を現在の自宅の売却によって賄おうと考えている場合は、あらかじめ価格を計算できる買取保証を利用することによって、無理のない資金計画をたてることができるでしょう。
マンション売却と営業マン
マンションの売却に関する悩みは、信頼できる不動産業者と優秀な営業マンに相談するのが一番です。
売主の置かれた状況によって、適切な相談相手は変わってきます。売主の意向が整理されていてはじめて、不動産業者は強みを生かすことができるようになるため、実践的な知識と優先すべきポイントを整理して、信頼できる相談先を見つけましょう。
マンションの売却を検討する際、不動産会社選びや売るタイミングなど、さまざまな選択をする必要があります。しかし、マンションの売却において最も大切なのは営業マン選びと言っても過言ではないでしょう。
ここからはその理由や、営業マンを選ぶポイントについて解説していきます。
最初に営業マンをチェックするポイント
マンション売却の際は、不動産仲介業者に売却を依頼するのが一般的です。集客力については不動産会社の規模や力量によるところも大きいのですが、実際に買主(または買主側の担当)と交渉するのは会社ではなく担当の営業マンです。
また、査定から売却活動、成約に至るまで基本的に全ての場面で担当するため、成約価格や成約のスピード、場合によっては引渡し後のトラブル処理まで担当営業マンの力量に左右されてしまいます。
不動産取引は非常に大きな金額が動くため、担当のわずかなスキルの差でも結果としては自分の手に入る金額が大きく変わってしまいます。
売却の価格だけでなく、瑕疵担保責任など、不動産の売却には大きな責任も伴うため、安心してマンションを売却するためにも、良い担当を探す労力を惜しんではいけません。
良い担当に出会うためには、時間を無駄にしないためにも早い段階で見極めることが大切です。売却の際はまず不動産仲介業者に物件の査定を依頼しますが、この時点ですぐにチェックをすべきポイントがあります。
それは担当営業マンの人柄やスペックについてのチェックです。まず不動産業の従事者に必須といえる国家資格の宅地建物取引士資格の所持者であるかを確認しましょう。
勉強をして取得する資格と実践で鍛える営業の腕は関係ないという意見も根強くありますが、不動産取引の場合はこれが無ければ不動産契約前の重要事項説明も行えず、その経験もないということを意味します。
つまり、一人で契約業務を行うことができないレベル(または意識)とも言えるのです。
次に、査定や電話など、約束の時間を厳守できるかも大切です。社会人の基本的なマナーですが、不動産の売買は融資の実行・引渡しなど少しの遅れやミスも許されない取引です。ここは多少厳しめな位の視線でチェックしましょう。
そのほかにも、言葉遣いや服装などのマナーは何度も話を重ねてくるうちに普段の話し方や仕草に近づいてくるものです。いざトラブルなどの時に真摯に対応してくれる人物かどうかはここでチェックができます。
信頼できる営業マンであるかのチェックポイント
不動産仲介業は非常に多くの利害関係の折衝を行う複雑な業務です。マンション売却を成功させるには、売却活動の全てを通じて味方として仕事をしてくれる営業マンを探す必要があります。
売主とのコミュニケーションも、担当の重要な仕事の一つです。担当と売主とのやり取りで、例えわずかでも不明な点や曖昧な点が残ってしまうと、後々の大きなトラブルにつながる恐れがあります。
不動産売買という金額の大きい取引では、ちょっとした言葉の行き違いでもお互いの不信感を招き、売却活動の途中で信頼関係が崩れてしまうことすらあります。
そういった事態を未然に防ぐためには、売却活動のどの段階であれ、担当の説明の仕方についてチェックをする必要があるのです。
まず、売主がわからない点について、丁寧に説明しているかどうかに注意しましょう。そして大切なのは、メリットだけでなくデメリットもきちんと伝えてくれるかどうかです。
例えば、本当に売却を急ぐのであれば仲介で売却をするのではなく買取にすればよいのですが、その場合は価格がかなり下がります。逆に、とにかく高い価格での成約を望んだ場合、成約までに1年以上かかるかもしれません。
このように、不動産取引のほとんどの場面では、良い面があればその分悪い面もあるのです。本当に良い担当は、こういった不動産取引の持つ両面を誠実に提示してくれます。
そのため、売主は必要な情報を得て、納得の上で決断を下すことができるようになります。また、良い担当は専門用語を多用しません。売主にわかりやすいよう、噛み砕いた表現で説明をしてくれるはずです。
マンション売却成功のため選ぶべき営業マンとは
媒介契約の前の最後のチェックポイントは、担当営業マンの提示した物件売却活動を精査することです。
信頼できる営業マンなら納得がいく現実的な計画を提案してくれるはずですが、”ネットに載せる期日”や”広告を打つ日時”など、一般の視点から見て具体性があるかどうかが判断基準となります。
もちろん媒介契約さえ結んでいない時点では、広告などの承認が会社から下りるはずはありません。しかし、信頼できる営業マンは「明日売却を開始するとしたら、ここの広告の締め切りに間に合うから用意しておこう」とイメージすることができます。
信頼できる営業マンは、「おいおい」「様子を見て」といった先延ばしの言葉はあまり使いません。不動産売買ははっきりした成約時期が読めないからこそ、常に先手を打つ意識が求められるのです。
媒介契約を結んだ後は、担当の本当の手腕が見えてきます。「専任媒介契約」は2週間に1度、「専属専任媒介契約」は1週間に1度の業務処理状況の報告が義務付けられているために、報告すること事態は当然のことです。
その報告の質は担当によって大きく異なりますが、これまでの基準を満たした信頼できる営業マンであれば安心して任せることができます。
営業マンとの信頼関係が大切
このように、マンションの売却を成功させるには良い営業マンを選ぶことが非常に重要です。営業マンの資格やマナーなど「人物」の部分や、説明の能力・態度や売却計画といった「仕事」の部分についてチェックポイントをおさえておけば、良い担当営業マンと出会うことは決して難しいことではありません。
ただし、これらはあくまでも信頼できる営業マンを見つけるために前向きな態度で臨むことが大切です。決して営業マンを品評するような姿勢で臨むことをすすめているわけではありません。
営業マンに一定の基準を求めるのと同様、売主も協力的な姿勢で売却活動に参加することが大切です。営業マンと売主で信頼関係を築くことが、マンションの売却活動を成功させる最も重要なポイントなのです。
「売主」「仲介業者」「買主」マンション売却のキーワード
一般的に、個人がマンション売却を行う場合は不動産仲介業者に売却を依頼するという方法が一般的ですが、買取業者に売却するという方法もあります。
不動産仲介には「売主」「仲介業者」「買主」の三者が登場するのが特徴で、売主に売却の依頼をされた仲介業者は、広告活動などを行い買主を探します。買主が見つかり条件交渉がまとまれば無事に成約・引渡しという流れになります。
ここでの注意点は、仲介業者は売主・買主の双方から仲介手数料を受け取ることができるという点と、売主側と買主側の仲介業者は別であっても良いという点です。
この点にあまり関心の無い人も多いのですが、不動産業者にとっては最も重要な部分の一つなのです。
なぜなら、売主・買主が同一の担当者や会社であれば、1つの物件の取引で手数料が2倍になるからです。
これを不動産業界では「両手」と呼び、売主または買主の片方からのみ手数料を受け取る場合は「片手」と呼びます。
誠実な不動産業者であれば積極的に他社の買主も紹介してくれるため、有利な条件で早い時期の成約が期待できます。
まず不動産仲介業に特有なこのポイントをおさえておけば、不動産業者選びも確かなものになります。具体的なチェックポイントは、取引件数が豊富であることと、ネットなどで積極的に情報を開示している会社であることです。
取引件数の多い不動産業者は1件あたりの査定から成約に至る過程がとてもスムーズで、丁寧なのに仕事が早いという特徴があります。これは従業員のレベルが高いだけでなく、会社全体のシステムが高度に整備されている証拠。
逆に、情報化社会にもかかわらずホームページが雑だったり、古い情報がいつまでも更新されていないような会社は注意が必要です。このような会社には問い合わせも少ないために集客力も期待できません。
不動産業者にまず売却を相談する際は、自分の希望に誠実に耳を傾け受け入れてくれる会社を選ぶのは当然です。しかし、事前にこのような視点から厳しくチェックをしておくことが重要です。
売却計画のチェックは欠かさずに
良い業者や信頼できる営業マンに出会ったとしても、マンション売却の活動は不動産業者に丸投げにすべきではありません。
まず、「一般媒介」の場合は業務の処理報告義務がなく、指定流通機構(レインズ)への登録も任意です。
もちろん一般的なマナーとして不動産業者は一般媒介でも連絡や書面の報告をしてくれますが、他社での状況などはわからないので動きにくいという側面もあります。
すべての状況を把握できる立場にあるのは売主だけということを踏まえて、責任を持って売却活動を行っていく必要があります。
「専任媒介契約」は、2週間に1度の報告義務があり、レインズへの登録も7日以内と定められています。
「専属専任媒介」はさらに報告義務の期間が短くなり、1週間に1度です。レインズへの登録も5日以内に行わなくてはいけません。
そのため、売主への報告は頻繁に行われますが、売却活動は1社のみということを考えると、売却計画や進捗状況のチェックは売主もきちんと行う必要があります。
また、ある程度の時間を重ねていくと売主と担当の営業マンとの間の信頼関係は強くなりますが、仲良くなっても全てを業者任せにするのではなく、売却計画に沿った活動がなされているか冷静に判断する必要があります。
しかし、現実として市場の反応が今ひとつであった場合は、売り出しの価格を下げざるを得ない場面も現実として受け入れる必要があります。
この点については、事前に計画(またはリスク)として担当の営業マンからきちんと説明があるかどうか、ということが不動産業者の質を見極めるポイントです。
ありがちな失敗例としては、高い成約価格の予想を提示され媒介契約を結んだものの、全く売れずに長い期間を浪費したうえに、なし崩し的に売り出し価格が下がっていくようなけケースが挙げられます。
経験豊富な不動産業者や信頼できる営業マンは、マーケットの状況の急変などにも慌てることなく、根拠を持った基準に沿って対応することができます。最終的には買取保証や買取業者の存在もあるなど、多くの選択肢を事前に提示してくれることも良い不動産業者かどうかを見分けるポイントです。
マンション売却は営業マンと二人三脚
マンションの売却はあくまで、売主と営業マンとの二人三脚で進めていくと考えてください。
大きな金額が動く不動産の売買ですが、仲介業者のリスクやリターンは仲介手数料の範囲に限られます。
しかし、売主は成約価格そのものの恩恵や損失を受け入れる必要があるほか、瑕疵担保責任などの法的な責任も売主にあるのです。
安心してマンションの売却活動を行うためにも、売却計画をきちんと実行してくれる不動産業者を探して営業マンと信頼関係を築いていくことが大切です。
売却前にすべきこと1.マンション相場を調べる
まず、マンション売却をするにあたって大切なことは相場を把握することから始めます。
そもそも不動産とは、資産の中でも個別性が高いものなので、価格を調べることが難しいという特徴があります。したがって、マンションの適正価格を知るコツは、不動産会社の意見も参考にしつつ、それ以外の方法でも自分で理解するようにしなければなりません。
マンションを含む不動産の理解の仕方として、「同じ不動産」はありえないということです。例えば、同じ地域にある土地であったとしても、広さや方位・形・接する道路の本数や状況によっても価格は大きく変動します。
これはマンションにも同じ事が言えて、部屋の向き・管理状況・間取り・階数によっても価格は異なります。したがって、自分の所有している不動産の価格を調べる場合には物件自体の価値だけでなく立地条件というものを考慮しなければならないため「個別性」が高まります。
実際に、マンションの価格評価を受ける場合、「価格査定マニュアル」が不動産流通推薦センターから発行されるので参考にすることをオススメします。
もちろん、最終的な価格評価は専門家による判断が必要でありますが、自分で納得のいく評価を知るためにもぜひ知っておきましょう。
このマニュアルに従うと、まず取引事例との比較をします。マンションの階数・間取り・方位といった項目で調べることが可能です。
比較項目それぞれに対して10%程度劣ると分かった場合には、取引事例の評価額から10%引いたものがおよその評価額となります。
比較する際に見落としがちなのは、比較対象となる物件を間違えないことです。
例えば、中古マンションの取引事例と新築マンションの取引事例を比べても意味がありません。中古と新築では枠組みがまったく違うので、評価額を把握しにくい場合があります。
また、ワンルームマンションとファミリーマンションといった異なるライフスタイルの物件を比べてしまうケースです。広さが似ていたとしても、使い方やニーズが異なるため正確な比較で難しい場合があります。
売却前にすべきこと2.業者ごとの特徴や強みを知る
マンション売却を失敗しないためには、信頼できる不動産会社に依頼することが重要です。
まずは不動産会社は、不動産の取引全体を請け負い・サポートする立ち位置であり、取引については、税金関係・建築制限・抵当権含め不動産の売買に関して必要になる知識や資格を有する専門家が行います。
したがって、単に売却側と購入者の仲介というだけではなく、法的な責任や権利なども持っている専門の業者という位置づけとなります。
さらに、不動産会社ごとの特徴や強みなどを知ることも、マンションの売却において失敗しないために知っておきたいポイントです。例えば、地域密着型の不動産会社は、地域に関するローカルな情報を持っていることが強みであるといえます。
不動産の売却は、物件自体の価値だけでなくそれ以外の情報も最終的な評価額に影響するのでなるべく詳しい情報を持っている業者に依頼できることは大切なことです。
そのほかにも、多くの支店を持つ大きな不動産会社の場合は、支社同士のネットワークを使った情報の共有に強みがあります。
したがって、遠方にある物件の売却を検討する場合で安心して任せられるというメリットがあります。
マンションの売却は自分に合った方法を探そう
マンション売却は、マンション自体の評価にばかり目が行きやすいですが、売るタイミングや業者選びがうまくいかないと時間がかかってしまったり、業者とのコミュニケーションがうまくとれないといったトラブルが起きることも少なくありません。
業者を探す際には、複数の会社を比較することが大切ですがそれぞれの持つ強みや営業歴から、総合的に見ることが重要です。
そして売却形態に関しては、「早く売りたいのか」「人気エリアの物件かどうか」といった物件の特徴や、自分の希望条件などから選びましょう。
安心して任せられる業者に依頼をすれば、その後の購入者に引渡しまでスムーズに進みますので、最初は特にじっくりと調べることが肝心です。
マンション売却を不動産に依頼する実際の流れ
マンション売却までの流れにおいて、最初にすることが不動産会社にマンション価格を査定してもらい、その後に不動産会社と媒介契約を結ぶことです。
査定価格は不動産会社によって違ってくるため、複数の業者に見積もりを出してもらいましょう。
いちいちメールフォームから入力して見積もり依頼を出すのは大変ですが、マンション一括査定サイトを使用すると楽チンです。
マンション一括査定サイトは、WEB上のフォームに物件情報を入力し送信することで、複数の不動産会社から査定してもらうことができるサービスです。
業者ごとにメールや電話をする煩わしい手続きが不要なうえに、不動産会社同士が価格や速さの面で競争するため、一社に依頼するよりも査定スピードが速く、高めの査定になりやすいといったメリットがあります。
しかし大手不動産屋の中には一括査定サイトに参加していない会社もありますので、そちらは個別で査定申し込みが必要になることも覚えておきましょう。
また不動産会社は売主確保のため、積極的な営業活動を行ってきますので、しっかりと業者を見極める目も重要になります。
また、一括査定サイトの場合は、詳細な物件情報の入力までは求められませんので、あくまで一つの指標であり、最終段階で現地訪問による詳しい調査によって、査定価格が変動することも理解しておきましょう。
以上のことを踏まえ、実際に売却手続きをしてもらう不動産会社を選び、営業マンを通じて媒介契約を結ぶことになります。
媒介契約とは売買契約とは別の契約であり、売主が不動産会社との間で結ぶ「売買を手伝ってもらう」契約のことです。査定と媒介契約の手続き期間の目安はおおよそ 1ヶ月と考えておきましょう。
不動産会社の力量によって、マンションが売れるかどうかが大きく変わってきますので、面倒であっても不動産会社選びは慎重に行うことが大切です。
媒介契約を交わした後は、不動産会社と売り出し価格を設定し売却がスタートします。買い手が現れるまでは不動産会社が自社サイトへ物件を掲載したり、チラシを配ったりと宣伝活動を行ってくれますので、売主は販促活動を行う必要はありません。
売買契約書作成の注意点
購入希望者は実物を見てから購入を決めることから、急な内覧に備えてマンション内の荷物を整理整頓したり、掃除したりしておきましょう。
せっかくマンション売却を流れ通りに進めていたのに、内覧者に汚れたごちゃごちゃした部屋を見せてしまい、悪い印象を与えてしまっては元も子もありません。
玄関、キッチン、水回りやバルコニーなどは特にチェックされやすいため、念入りに清掃しておくべきです。
また購入希望者がチェックするポイントとして、物件の所在地、物件価格、築年数、建物の広さなどの客観的なデータがあります。
売主側が変更できるのは物件価格だけなので、もしも購入希望者がなかなか現れなければ、不動産会社と値下げ金額やタイミングについて決めていくことになります。
ただし値下げに関しては安易に判断せずに、十分に宣伝を行った後に慎重な判断を心掛けましょう。
内覧した希望者がマンションを気に入って購入したいとなった場合は、後日に購入申込書を受け取ります。
購入申込書には、購入希望者が“この金額であれば購入したい”といった希望額が記載されており、売り出し価格よりも低い金額を希望されることも多いです。
値引きについての交渉でも安易な値引きは避けるべきですが、ある程度は譲歩した方が交渉をまとめやすいのも事実です。
マンション売買のテクニック
あらかじめマンションの売り出し価格に数万円単位の端数をつけておき、値引きするためにその端数を省くといったテクニックがあります。
条件などの交渉がまとまった後は、売主と買い手側の間で契約を結ぶことになります。売買契約書の作成は、売主・購入者・不動産会社の担当者の3人が揃って行います。
大体はこの時点で手付金を受け取り、売却代金の全額はマンションを引き渡す日に受け取ります。契約内容の確認に不安があるようであれば、当日までに売買契約書の記載内容を確認可能です。
売買契約書のチェックポイントとして、手付金の金額と住宅ローン関連の記載に注意しましょう。手付金は売却代金の5%から10%であれば妥当な金額といえるでしょう。また住宅をローンの事前審査の有無や買い替え特約にも注意が必要です。
マンション売却は確定申告をしてすべてが終了
マンションの売買契約を結んだ後は、引き渡し日までに引っ越しなどを済ませる必要があります。
また引き渡す際の条件が部屋の状態を回復する条件であれば、ハウスクリーニング業者などを手配して、掃除をした後に明け渡しますが、現状有姿とよばれるそのままの状態で引き渡すこともあります。
引き渡し日については、現金購入であれば契約日から 1ヶ月後くらいが平均ですが、住宅ローンなどを組む場合はもう少しかかることがあります。
当日は決済を済ませた後に部屋を明け渡すというのが通常の流れになるので、売却後に設備の不良などによるトラブルが起きないように入念にチェックをしておくように心がけが大切です。
売主も知らなかったような問題が発生して、後々に修復費用を出すことになる瑕疵担保責任があることも覚えておきましょう。
引き渡し日に必要なものは印鑑・印鑑証明書・身分証明書・マンションの鍵・権利書・マンション関係の書類・仲介手数料などが挙げられます。
特に印鑑証明書・権利書(登記済証もしくは登記識別情報)はすぐに用意できるものではないので忘れないように準備しておきましょう。
また、仲介手数料はすべての取引が終了した後に支払うのが原則であり、不動産会社と結んだ媒介契約書に記載されています。
もし持ち合わせがなく、マンションの売却で受け取った代金から手数料を支払う場合は、その旨を不動産会社に伝えておきましょう。
また、売主の住宅ローン残債がある場合は、受け取った売却代金を一括返済に回します。返済が終わると、銀行がつけていた抵当権を外すことができます。引き渡しの日と同日に、抵当権を外すことができるよう司法書士に依頼しておく必要があります。
さらにマンションの売却が終わった後に忘れてはならないのが、翌年に行う売却益や売却損についての確定申告です。自宅にしていたマンション売却では様々な優遇を受けることができ、売却益に対して掛かる税金は減税されます。
また売却により赤字が出ていれば、所得税などと通算して税金を減らすことも可能です。
マンション売却にかかる期間は半年が理想的
マンションを売ろうと考えてから、実際にすべての手続きが終了するまでは売り出しまでの約1ヶ月と、売買契約成約から引き渡しまでの 1ヶ月半に加え、最も長引く可能性がある期間が売りに出してから成約までの期間です。
スムーズに買い手が見つかるのに3ヶ月~4ヶ月はかかるといわれています。もし 4ヶ月以上、購入希望者も現れないようであれば不動産会社選びからやり直す必要もあるので、さらに時間もかかってしまいます。
そうなるとやはり、最初の段階での不動産会社ならびに営業マン選びは最も重要なファクターと言えます。
最初につまずかないようこの記事を参考にして、適切な不動産会社を選別しましょう。また、マンション売却終了までの理想的な期間は半年、それ以上であれば1年ほどかかることも理解し、焦らず冷静に取引を進めていくことも大切です。
マンションの相場は常に変動する
マンション売却における中古マンションの需要は基本的に高いため、「いつでも高額で買い取ってもらえる」と考えている売主も少なくありません。
しかし、不動産は常に価格が変動し、特に建物に関しては経年劣化によってどんどん価値が下がっていきます。この事情を知らずに売却希望金額を決めてしまうと、売主が得られる金額にも影響を及ぼすでしょう。
そこで、長期的に腰を据えて売却するときには、固定資産税や都市計画税などの維持費を、短期間で売却したいときには物件の相場の変動を調べておくことをおすすめします。
例えば、利益優先で値下げもせずいつまでも強気な金額で買受希望者を募る売主もいますが、何年もそのままで放置しておくと、人が住まない物件はどんどん荒れていきます。
そして、維持費を負担しながら買主を募ることで売主にも大きな負担がかかるだけでなく、物件の価値が下がっていくために売却金額を下げざるを得ない状況に陥ります。
しかし、急いで物件を売りたいと考え、一昔前の相場で売値を決めたところ、実際には需要が高まって相場が上がっており、短期間で売れはしたものの本来受け取ることができた金額よりも大幅に安くなったというケースもあります。
マンションの相場が変動するタイミング
一般的に、不動産の金額は、国が路線価を発表する春、都道府県が発表する秋に変動しやすくなります。
また、2~3月、11月頃は転勤などで引っ越しをすることが多く、物件購入を検討する人が増える時期ですので、通常よりも活発に取引が行われます。
なお、平均的な相場と比べて、自分の物件にどのような価値がついてくるかは詳しい仲介業者に相談する必要があります。
立地条件が良くても、前面道路が狭いなどの事情で車の乗り入れが困難な場所はマイナス査定になり、新耐震基準よりも以前に建てられた物件であっても、現在の基準よりしっかりと作られた物件はプラス査定になります。
需要の高い時期、相場が上昇傾向にある時期などを狙って、業者と相談したうえで適正な金額で買受希望者を募れば、売主が得られる代金も増えるうえに、短期間で物件を売却できて経費を抑えられる可能性があるのです。
マンションの売却相場が下がったときの対処法
今までは魅力的な物件だと思われて高額で取引されていたマンションも、新しく不利な情報が出た時には価格が大幅に下落します。
例えば、耐震設計の問題が大きく取りざたされたときや国内で大規模な地震が発生した時などは、普段何気なく暮らしていた住居に対して不安を感じる人も少なくありません。
実際、これらの出来事が起こった時の価格の変動は非常に大きく、特に1981年に新しい耐震基準になっていなかった物件や、偽装が疑われる時期に建てられた物件などは、立地条件や元の購入金額などに関係なく下落していました。
ただし、旧耐震の物件であっても、当時の基準どころか現在の耐震基準すら上回るような強度を誇る物件はいくつもあります。
旧耐震の物件は時期的に言ってかなり築年数は過ぎていますが、しっかりした強度を誇る物件の多くは富裕層向けの丁寧に作られたものばかりですので、広さや間取り、設備なども充実しており、コストパフォーマンスが高いといえます。
このような情報が広まると、今度は同じ予算でより条件の良い物件を購入したいと考える買主が増えることになり、逆に旧耐震の物件の価格が上昇するケースもあるのです。
このように、物件の価格変動は、実際に何が変わったわけでなくても、一時的な情報の錯綜で起こることもあります。
多少手間をかけても高い金額で売却してみたい時などは、物件のメリットを宣伝するだけでなく、買主が不安視している点についてきちんとフォローするというのもおすすめです。
耐震基準に不安があると思われがちな物件ならば、個人での耐震調査は難しいので、オーナーや管理人に検査をしたことがないのかを確認してみるのも一つの方法です。
旧耐震の物件については、大きい地震が相次いで発生したこともあり、修繕積立金などで検査をしているところも意外とあります。
物件の広告をする際に、仲介する不動産業者に耐震調査をしていることを伝え、できればその結果の資料なども持ち込んでおくと、買主も見つかりやすくなります。
特に売り急いでいないときには、価格が大幅に下がっている時は不動産業者と相談しながら売却のタイミングをうかがうのも一つの手です。
エリア別の相場は予想が困難
不動産の相場は変動していますが、その基準となるものがいくつかあり、通常はそれらの基準額に伴って売却代金の相場が変わる仕組みになっています。
もっとも代表的なものが、国内に多数ある標準値の価格を決めて、毎年3月下旬に国土交通省が発表する公示価格です。
都道府県でも同様に基準値の価格を決定しており、基準地価として毎年9月に公表しており、9月以降はこちらの地価が基準になることが多いため、この時期には価格の変動が見られます。
さらに、国土交通省は実際に取引をされている物件の売買価格をアンケートで調査し、そのデータを集計してさまざまなサイトに提供しています。
この物件にはマンションも含まれており、物件の概要や実際の価格、立地状況や用途など詳しい情報を集めることができるため、売却価格が変動することがあります。
現時点での物件の売却価格の相場に関しては、これらの情報を参考にすればある程度適切な金額を算出できます。
しかし、売り急がずに物件の価格が上がったときに売却したいと考えている場合、今後売却価格がどのように推移するのかを予測するのは非常に困難です。
景気の変動だけでなく、予想外の災害などで物件の価値が下がることもあるので、基本的には長期的に売却できるタイミングを狙うよりも、維持費を少なく抑えるために短期間で売却できるように工夫するほうが手元に入る金額も増えやすくなります。
現在は大幅な価格の上昇の見込みは少ないと考えている業者が多く、多少価格が上がったとしても、売買に至るまでの固定資産税や修繕積立金、都市計画税などの維持費が高額になる恐れがあります。
数年待てばトータルで見ると大幅な価格上昇もあるかもしれませんが、逆に大幅な下落もないとは言えません。売却を待つほど築年数は上がっていきますし、自己判断でよく検討しましょう。
マンション売却時には経費の見落としに要注意
マンション売却の時には、売主はいくら現金を受け取ることができるかという点だけを考えがちですが、実際にはその利益から経費も差し引かれることを理解しておきましょう。
特に、物件の売却で得た金額を他の用途に充てる予定がある場合には、実際に見込み額通りの金額を受け取ることができるのか把握しておかなければ、必要経費が生じるたびに借り入れをしなくてはならない可能性もあります。
物件の売却で発生する費用はさまざまですが、必ず発生するのが仲介手数料のほか、契約書に貼る印紙代や所有権移転の際に必要な印鑑証明書等の書類代など、細かい支出も発生しますので、ある程度まとまった現金を用意しておくと安心です。
また、人によって発生することがあるのが登記費用です。所有権移転に関しては買主が負担しますが、売主の登記簿上の住所氏名が現在のものと異なる際には、売主が費用を負担して名義変更の手続きが必要です。
また、抵当権が残っている時には、売却代金から残債務を一括して支払い、さらに抵当権抹消の登記費用を支払わなければなりません。
さらに、翌年の3月には不動産を売却した時の譲渡益に対して、所得税や住民税が発生します。
確定申告の時期になると、忘れずに申告と納税をしなければなりませんが、取引から期間が過ぎているので手元に現金が残っておらず、慌てる売主もいるので注意しましょう。
また、所得が一時的に上がったことにより、健康保険料の金額も上がるため、毎月の負担が大きくなります。できれば、概算を出しておいて売買代金からその差額を取り分けておくとよいでしょう。
これらの経費を考慮せずに、早く物件を売却したいばかりに金額に妥協して売買契約をしてしまうと、予想以上の支出が発生してかえって赤字になることもあります。
できれば、物件を売却して得た現金はあまり手を付けずに、少なくとも一年程度はいざというときの支出のためにストックしておくと、急な支出があっても慌てずに対処できるでしょう。
マンション売却時には最終的な受取額を重視しよう
マンションを売却するときに利益を増やしたいと考えるのであれば、最終的にいくら受け取ることができるのかを考慮して、さまざまな手段を検討していく必要があります。
経費を抑えたいのであれば、誠実で費用も安い業者や司法書士を探したり、売却のタイミングは維持費や相場価格の推移を見ながら決めたりと、焦らず自分にあった人物・手段を選ぶことが大切です。
例えば、高く売りたいがためにゆっくり売却することを選んだ結果、維持費がかかりすぎたというケースも存在します。
売却が長引いた時のコストや必要経費などは別々ではなく、すべてまとめて検討していく必要があり、きちんと手順を踏んでマンション売却を行えば、最終的に満足の行く利益を得られるでしょう。