当たり前の話ですが不動産物件を売りたい方と買いたい方の両者がお互いに合意しなければ、不動産取引は成立しません。
売主が少しでも高く売ろうと全く値引き交渉に応じなかったり、買主が一円でも安い物件探しに夢中になっていると物件探しに終わりがなくなってしまいます。
ここでポイントなのは、売主は買主に「お得感を与える」ことです。お得だと感じてもらえれば、必要以上に値引きを行う必要がありませんし、場合によっては希望額より高く買ってもらえることさえあります。買主にとってもお得な物件は逃したくないもの。すぐに契約に持ち込もうとします。つまりお得感のある物件は、成約までのスピードも早いのです。
そこで売主に是非とも実践して欲しい物件のお得感をアピールする方法をご紹介します。
不動産会社にPRを行う
物件の販売活動を行うのは、売主本人ではなく不動産会社です。そのため不動産会社が物件のアピールポイントを知っていなければ、PRを行なってくれるわけがありません。売主はまず不動産会社に分かりやすく物件の特徴や利点を伝える必要があります。
アピールポイントとして不可欠なのは、生活イメージです。この物件を買うとこんな生活が待っていると購入者が想像を膨らませられるようなイメージを不動産会社に伝えなければいけません。
広さ、間取り、築年数、構造、耐震性能、最寄り駅、徒歩分数、周辺環境を伝えるのは、誰しもが行う当たり前のことです。これだけの情報では不十分です。
リフォームを施したことがある方はリフォームについての説明や、日当たりの良い部屋や庭で育てている植物についてなど住んでいる人にしか分からない情報の提供が大事なポイントです。利便性の高い場所にお住いの方は、通勤、通学のストレスのなさを伝えたり、単身向けのマンションの場合は、終電の時間まで書いておくとより良いでしょう。
広告、販売活動は不動産会社の仕事ですが、任せっきりにするのではなく、一緒に広告し、一緒に販売活動を行う姿勢が大切です。
内覧会はホームステージングで魅力度を上げる
化粧をして素敵な服を着た女性とのデートと、すっぴんで部屋着の女性とのデート。一緒に街を歩いて、食事をするのであれば、どちらの女性がいいでしょうか?
同じ女性でもやはり身なりを整えている方が、より素敵に見えますよね?TPOを守ることで、相手の印象はガラリと変わります。第一印象は3秒で決まると言われていますが、不動産取引でも全く同じことが言えます。
前の住人の生活感のある部屋か、ホームステージングを行いまるでモデルルームのようになった部屋。どちらの部屋をより欲しいと思うのかは一目瞭然です。
ホームステージングにピンとこない方もいるかもしれませんが、ホームステージングとは家具や小物を使い、部屋をモデルルームのように素敵にコーディネートすることを言います。
欧米では一般的に行われていますが、日本では新築マンションくらいにしか行なっておらず、中古物件では一部の不動産会社しか提供していないサービスです。しかし売主からはホームステージングを行うだけで内覧時の成約率が上がると好評で、現在注目を集めている手法です。
現在ではホームステージングを専門に行う会社も増えてきています。ホームステージングは安いものであれば、数万円から利用することができます。
お金をかけられないという方は、最低限玄関周りをホウキで掃いたり、不用品の処分、整理整頓を行なっておきましょう。前の住人の生活臭を消すことは非常に大事です。もし不要な家具、家電がある場合、希望があれば無料で家具家電を付けると添えることもお得感に繋がります。
特に新婚さんや単身世帯からすると、無料で家具家電をもらえるのは大きなポイントになるようです。
内覧はここに住みたい!と思ってもらえると、大成功だと言えます。